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1998-03-23 ArtNo.14280
◆<星>日米関係が多極化時代の安定の要に:上級相
【シンガポール】今後20-30年後には、アジアにおける日本、中国、ロシアのプレゼンスが米国のそれを凌ぐ時代が来るものと見られ、その時も日米の同盟関係が維持されてさえいれば、域内の勢力均衡は保たれるが、そうでなければ、均衡は崩壊し、その後の事態は誰にも予測し難い。
シンガポールのリー・クアンユー上級相は最近、韓国の中央日報のインタビューに応じ、以上の見通しを語った。それによるとロシアは人的資源も天然資源も豊富で、科学技術も備えており、これらを運用する経済システムだけが欠けている。あるいは100%市場経済制度を導入できないかもしれないが、60~70%目標が達成されただけでも、30-50年後には強力な勢力として台頭する。
一方、中国は明らかに強力な経済勢力になるが、中国の科学技術が米国、日本、欧州のレベルに達するには、なお時間を要することから、直ちに超大国になることはないと言う。
リー氏はまた韓国が現在の経済危機を克服することに、信頼を表明した。それによると、韓国は多額の対外債務に直面しているが、借り入れた資金は全て工業設備に投資されており、浪費された訳ではない。
韓国経済の今日の困難は、収益性よりも市場占有率の拡大を重視したChaebol(財閥)の経営戦略に関係している。Chaebolは恐らく1米ドル=100~110円の相場が維持されるとの想定の下に、多額の資金を借入れ、鉄鋼、造船、半導体ウエハーに投資、中国やその他のアジア諸国、あるいは欧州ではなく、ロシア、カザフスタン、東欧に積極的な進出を図ってきた。しかし円相場が120、130円に軟化する中で、日本企業との競争力に問題が生じた。Chaebolは1996年当時にこうした状況を察知し、軌道修正を図るべきだった。
韓国には、当面国際通貨基金(IMF)の指導に基づき経済の建て直しを図り、頃合いを見て元の韓国式スタイルに復帰するか、完全なアングロ・サクソン・システムに転換するか、2つの道があるが、後者を選ぶなら、現在50社以上存在するChaebolの内、真に強力な10~15社のみが生き残ることになるかも知れないと言う。(BT,LZ:3/21)
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