SEAnews 1998-04-11 ArtNo.14508

【シュトゥットガルト】ダイムラー・ベンツは5月1日には、地域本部に格上げされたシンガポール事務所の第1代所長を指名、新体制下に域内ビジネスの拡張に本腰を入れる計画だ。
ダイムラー・ベンツ取締役会メンバーのDieter Zetsche氏が8日、複数のアジア人記者と会見し語ったところによると、最近の経済危機で同社のアジア業務は萎縮し、特にマレーシアとインドネシアのビジネスの退潮が顕著だが、来年は市況回復が見込める。
ダイムラー・ベンツは商用車で世界をリードしているが、アジアは商用車市場における同社の地位に大きく貢献しているため、決してアジア市場を手放すことはできない。
アジア市場における同社製商用車の優位を維持するため、1）販売網の専門化、2）現地合弁の促進、3）販売活動における現場の裁量権の拡大を図る。シンガポール事務所長はこうした新戦略を率先して推進する使命を負うている。
ダイムラー・ベンツは昨年、アジアで乗用車7万7564台、商用車1万1212台を販売、95億マルク(S$82億)の売上を達成、アジア・ビジネスはグループ営業額に8％貢献したが、向こう10年間に同比率を20～25％に引き上げると言う。(LZ,BT:4/9)