SEAnews 1998-04-13 ArtNo.14525

【シンガポール】シンガポール航空(SIA)は米国／欧州／日本等、主要市場の長距離旅行者をターゲットに1泊1米ドルのホテル・サービス付きトランジット・ツアー・パッケージの売り込みに乗り出したが、旅行業界にはその効果に期待する者が有る反面、不安を抱くものも少なくない。
ＳＩＡとシルク・エアーの利用者に提供される同パッケージでは、ツイン・シェア・ルームの最初の1泊が1米ドルで、それ以降の宿泊料は1日30米ドル。この他、シンガポール動物園／ナイト・サファリ／市内ツアー／セントサ・ツアー／レンタカー／クルーズ／ターミナル2小売店等の50％ディスカウントもオファーされる。
同プログラムは、今年9月30日まで実施され、この間に20万人の旅行者に利用されるものと予想される。フラマ、コンコード、アポロ、ニュー・パーク等の3スター・ホテルとホリデー・イン・パーク・ビュー、カールトン、エリザベス、オーチャード、ブールバード等の4スター・ホテルがプログラムに参加する。当地の5スター・ホテルはこれまでＳＩＡのトランジット客を安定した収入源の1つと見なしてきたが、同プログラム期間はこの方面の収入を閉ざされそうだ。
全国旅行代理店協会(NATA)のRenton de Alwis代表(CEO)は、「旅行代理店のマージンは今や1～2％で、とてもＳＩＡのパッケージに対抗できない。いずれにしてもシンガポールは価格では、タイやインドネシアに太刀打ちできないため、何らかの別のプロモーションを考える必要がある。値下げを武器にするなら、ＮＡＴＡとの協力関係に亀裂を生じさせる恐れがある」と警鐘した。(BT,ST:4/9)