SEAnews 1998-05-04 ArtNo.14784

【シンガポール】地場サウンド・カード・メーカー、クリエイティブ・テクノロジーは、域内経済危機の最中に関わらず、1998年3月31日締め第3四半期に前年同期を2.3％上回る4520万Ｓドルの純益を計上、売上も5.5％増の2億9840万米ドルを記録した。
これにより年初9カ月の純益も1億7180万米ドルと、前年同期の1億1580万米ドルを上回った。
先週水曜(4/29)カリフォルニアで記者会見したクリエイティブのシム・ウォンフー会長は、アジア経済危機の最中におけるものとしては、第3四半期の業績は満足の行けるものと語った。それによると第3四半期のアジア地域売上は前年同期比16.4％下降、アジア売上の営業額全体への貢献も28.9％から22.9％に縮小した。アジアの市況は全般に底入れした感があるが、最大の日本市場の先行きが不透明なため、なお様子を見る必要がある。
第3四半期の利幅は32.3％と、第1、第2四半期の平均32.9％を下回った。パートナーの支援態勢が整うのを待つて、新製品サウンドブラスター・ライフの本格的出荷を遅らせたことから、第4四半期の売上は横這いが見込まれる。しかし次年度は新製品が続々市場に投入されるため、20～25％の増益が見込め、利幅は32％台を維持する見通しだ。
一方、クリエイティブは1億米ドルを投じて市場に流通する株式を買い戻す計画を発表した。投資家は株式の買い戻しを、クリエイティブが株価が実勢を下回ると見ている証左と見なすため、株価にはポジティブなシグナルと、某アナリストは指摘した。(ST,BT,LZ:4/30)