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1998-10-13 ArtNo.16863
◆<星>日本のUS$300億パッケージは唯一の光明:蔵相
【ワシントン】アジアが戦後最悪のリセッションに見舞われる中で、先週催された世銀と国際通貨基金(IMF)の年次総会では、アジア諸国の救済や経済危機の他地域への感染防止策は何らまとまらず、日本がサイドラインで発表した300億米ドルのパッケージが唯一の光明になった。
リチャード・フー蔵相が先週末訪問中のワシントンで語ったところによれば、宮沢蔵相のイニシアチブに基づく150億米ドルの短期スワップ・アレンジと150億米ドルの中長期ファンドは、アジア諸国にとっては大きな支えで、実際のところもし同パッケージがなければ、実質的に資金調達の道は存在しなかった。例えばタイ企業はロンドン銀行同業間出し手金利(LIBOR)上乗せ10~15%ポイントを受け入れる用意があるものの、敢えて融資を行う銀行などなかった。しかし今や日本のソブリン・レートで数十億の資金を借り入れることができ、このため域内貿易が再度勃興する可能性がある。
これまで言われてきた通り、日本自身がリセッションから立ち直ることが、域内経済回復の最大の鍵になるが、300億米ドルのパッケージは極めてポジティブな動きと言える。昨年、日本がアジア通貨基金設立構想を発表した際、アジアに対する影響力を失うことを恐れ、これに反対した米国とIMFは、今回も決して歓迎はしなかったものの、敢えて反対しなかったと言う。(ST:10/12)
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