SEAnews 1998-10-15 ArtNo.16896

【シンガポール】ナットスチールLtdは13日、グループ業績に最大の貢献を果たしている子会社ナットスチール・エレクトロニクスLtd(NEL)の一部持分を手放し、債務を軽減する方針を発表した。
エージェントを務めるＤＢＳバンクが発表したところによれば、総発行株式の10％に相当する4301万株を、月曜の終値を6.6％下回る1株3.12Ｓドル、総額1億3400万Ｓドルで手放す。これによりナットスチールの持分は33.98％に下降するが、依然として最大株主の地位を維持、電子ビジネスは今後もグループの中核業務としての地位を保つ。
私募調達した1億3150万Ｓドルの純収入は借入の返済に当てる。ナットスチールの今年6月30日時点の負債総額は9億3500万Ｓドルで、そのうち97％が1年以内に返済する必要のある短期債務となっている。
ＮＥＬシェア売却によりナットスチールは9150万Ｓドルの特別項目利益を計上することになり、1株当たりの純有形資産は15.7Ｓセント・アップする。しかし1株益には影響は及ぼさない。ＮＥＬ自身も9月に新株3910万株を1株3.10Ｓドルで私募にかけており、僅か1カ月の間に2度目の私募になる。(ST,BT:10/14)