SEAnews 1995-01-17 ArtNo.171

【シンガポール】昨年11月に公共部門の700人の求人に対して6000人近くが応募したことが先週報じられたが、民間業界は公共部門との競争よりも、同業他社の求人活動により強い関心を抱いているようだ。
公共部門の求人に対する上記の応募者数は92年の1900人や93年の2800人を大きく上回っており、公務員給与制度の改革に対する求職者の積極的な反応として注目されている。こうした改革には各部門に跨る大幅な昇給、昇進の加速、一般事務職員の待遇改善、求人における各省庁の裁量拡大が含まれる。しかしシティバンクの人事担当者は「給与・待遇の変更に際しては市場動向を重視しており、今回の公共部門の求人活動そのものよりも、これに対する他社の反応に注目している」と語った。シーゲート・テクノロジーの人事担当者によると、適切な人材を雇用し得る給与条件を維持することが重要で、求人対象は決して最も有能である必要はない。同社は毎年管理職候補者約200人を新規雇用しているが、シンガポール国内だけでなく、海外からもリクルートしていると言う。人材斡旋会社ＥＯコンサルタントのエドワード・オン重役(GM)は、民間部門から公共部門への転職以上に、その逆のケースがこれまで目立ったと指摘、公共部門の新給与制度の効果を見極めるには3～4年を要すると語った。(ST:1/16)