SEAnews 1998-12-03 ArtNo.17509

【クアラルンプル】アンワル前副首相の職権濫用公判の第12番目の検察側証人として2日、証言台に立ったアンワル夫人の元運転手アジザン・アブ・バカル氏(38)は、1992年に自身の意思に反しアンワル氏から何度も獣姦され.たと証言した。
アジザン氏は、アンワル氏の家族らの見守る中で、「クアラルンプル市内のホテルで何度もアンワル氏から獣姦され、精神的に大きな打撃を受けた。特にワン・アジザ夫人対して良心の呵責を感じた」等と語った。アンワル夫人は、自身の名が言及された折りには、証人台に目を向けたが、終始俯いて証言を聞いていた。
アジザン氏はまた警察に逮捕され、マハティール首相に宛てた証言内容の取消を求められた際には、これを拒絶したが、取調官は昨年8月17日の夜から翌日の午後8時まで休み無く尋問、アンワル氏に獣姦された証拠を示すことができないなら、治安維持法の下に2年間拘留されると脅迫した。このためアジザン氏はやむなく謝罪状に署名、その後同謝罪状を携え、警察官に付き添われ、アンワル氏の自宅を訪ねたが、その際アンワル氏は証人を厳しく非難したと言う。
一方、ビジネスマンNallakaruppan Solaimalai氏(ｱﾝﾜﾙ氏友人)の銃弾不法所持に関わる公判の弁護を引き受けたマジット・シン弁護士は、この日、同氏の法廷陳述書が、アンワル氏の弁護士ザイヌル・ザカリア氏により、2人の検察官の交替請求に利用されることは全く、関知しなかったと述べ、自身の法廷陳述により公判を混乱させたことに関して裁判官と検察官に謝罪した。法廷はシン氏の謝罪を認めた。これによりシン弁護士は、法廷侮辱罪で3ヶ月の禁固を命じられたザイヌル弁護士と運命を共にすることを回避した。(ST,BT:12/3)