SEAnews 1998-12-12 ArtNo.17630

【クアラルンプル】ライオン・グループ傘下のAmsteel Corporation Bhdは政府が導入した通貨統制や金利引き下げ措置の恩恵を十分汲み取る狙いからグループを再編し、限られた中核業務に集中する計画だ。
アムスチールのザイン・ハッシム会長が年次報告書の中で明らかにしたところによると、農園事業については、完全出資子会社ライオン・プランテーションズSdn Bhd傘下のサバ州の農園会社11社を処分し、油椰子農園事業のリソースをポンティアナ・インドネシアに集中する。ポンティアナ・オイル・パーム・プランテーションはこれにより、その広大な農園(4万500ha)と低い労働コストを最大限に活用できる。
鉄鋼部門は輸出市場のシェア拡大により、3交替制の下、ほぼ100％の稼働率を維持している。政府の財政／金融措置により、国内の鉄鋼需要が今後拡大する見通しのため、鉄鋼部門の業績は改善が見込まれる。
自動車部門も政府の割賦金融規制の緩和の恩恵が受けられる見通しで、スズキの4輪駆動ライフ・スタイル車の売れ行きも改善するものと見られる。同様にタイヤ製造部門、シルバーストーンBhdの業績改善も予想される。
食品／農業製品ビジネスに関しては、製品デザインや包装スタイルの改善、積極的な広告宣伝により、ココア飲料とチョコレート製品の売上増が見込まれる。同部門は来年はグループ利益に13％以上貢献する見通しだ。
アムスチールは1998年6月期年度に前年の4億3700万Ｍドルの税引き前利益から2億2000万Ｍドルの税引き前損失に転落した。(NST:12/11)