SEAnews 1999-02-18 ArtNo.18225

【シンガポール】ゴー・チョクトン首相は14日に発表した旧正月メッセージの中で、今年は世界経済の前途も域内経済の行方も不透明で不確実性に満ちた一年になると述べ、国民に心理的準備を求めるとともに、全国民が一丸となって危機を乗り切るよう訴えた。
それによると日本政府の様々な景気刺激措置に関わらず、日本経済回復の可能性は未知数である。米国政府は今年国内経済の2.5％の成長を予想しているが、エコノミストは米国証券市場に生じたバブル崩壊の危険に警鐘している。
インドネシア等の近隣諸国の問題が一層複雑化するなら、域内経済全体に対する投資家の信頼が薄れ、シンガポール経済の成長も鈍化せざるを得ない。
運が悪ければ経済困難が長期化し、シンガポール社会の団結が動揺する可能性がある。既にこうしたことはインドネシアやタイに生じているが、幸いなことに大多数が政府(HDB)団地に居住するシンガポーリアンは、多民族多宗教社会に関わらず、比較的強い団結を維持している。国民が団結を維持する限り、危機を切り抜けることができると言う。(ST,BT,LZ:2/15)