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1999-03-02 ArtNo.18350
◆<星>メッセージング市場がロータス/マイクロソフトの主戦場に
【シンガポール】ソフトウェア・ジャイナツ、マイクロソフト・コープとロータス・デベロプメント・コープは、未だ萌芽期のメッセージング・システム市場のシェアを巡り、遠からず正面衝突する見通しで、シンガポールが主戦場になりそうだ。
シンガポールではロータス・ノーツが政府/公共部門市場を中心に他社をリードしているが、マイクロソフトがアグレッシブな値下げ攻勢に転じている。戦局の行方は両社のメッセージング製品新バージョンの拡張機能や価格設定、広告宣伝戦略、マーケッティング予算に掛かっている。ロータスはノーツ/ドミノ/ドミノ・デザイナーのリリース5を来月シンガポールで公開する。これに対してマイクロソフトはメッセージングやコラボレーションのための拡張機能を備えたアウトルック2000クライアントをバンドルしたマイクロソフト・オフィス2000をやはり来月出荷する。
マイクロソフトのワシントン州レッドモンド拠点エクスチェーンジ・サーバー・ビジネスユニット担当エリック・ロッカード重役(GM)とロータスのマサチューセッツ州ケンブリッジ拠点ワールド・ワイド・プロダクツ・マーケッティング担当副社長マジョリー・テンザー女史が、先週相前後してシンガポールを訪れた。ロッカード氏はその際BT紙に、「ロータスは比較的早くからシンガポールに足場を築いているが、最近マイクロソフトは少なからぬ得点を上げており、こうした攻勢に拍車をかけて行く」と語った。
これに対してテンザー女史は、「リリース5にとってアジアはホット・マーケットで、アジア市場における成果がロータスの成功の鍵になる。市場の重心は単なるメールからコラボレーティブ・コンピューティングに急速に推移しており、ロータスの強味もそこにある。ロータスは各ターゲット市場の新規顧客や既存ユーザーを対象にしたアグレッシブなプランを準備している」と語った。リリース5は既に米国で出荷されており、今月はオーストラリアと日本市場に投入され、シンガポールにおけるデビューは4月19日。ロータスがリリース5のグローバル・マーケッティングに1億米ドルの予算を組んだとの消息も伝えられている。
マイクロソフトのロッカード氏によると、ロータスのリリース5はそれ自身の機能を拡張しただけでなく、マイクロソフト・エクスチェーンジが有する機能をカバーするために、多くの努力を払っている。
ロータス・デベロプメント・シンガポールのザカイオス・ブン重役(MD)によると、ロータスのメッセージング・シートはシンガポールの政府機関や関連部門市場では圧倒的シェアを占めており、最近もシンガポール政府との2年契約を更新したばかり。シンガポールワンはロータスのネットウェアを用いる見通しで、同社のクイックプレースは企業がそのブラウザーだけでEビジネスを行うことを可能にすると言う。
しかしマイクロソフトはアグレッシブな価格設定により、ロータスの地盤切り崩しを図っており、5ユザーのアップグレード版スモール・ビジネス・サーバー4.0の価格は959米ドルから、アップグレーダーのためのバックオフィス4.0は2119米ドルから、5ユザー・アップゲレード版エクスチェーンジ5.5は829米ドルからとなっている。これに対してロータスのボリューム・ライセンス・スキーム下のドミノ・エンタープライズ・サーバーの価格は4995米ドル。
市場調査会社IDCによれば、ロータスのドミノ・ノーツは1998年に新たに1344万人のユーザーを獲得、2957万人の顧客ベースを有する。これに対してマイクロソフト・エクスチェーンジは昨年1178万人の新規ユザーを獲得、2119万人の顧客ベースを有する。また3位ノベルのユーザー・ベースは昨年451万人を追加し、1421万人。別の市場調査会社Radicati Groupによるとメッセージング製品の昨年の世界売り上げは15億米ドルで、2002年までに47億米ドルに達する見通しだ。インターネット・サービス・プロバイダーのメッセージング・サービス導入が向こう4年間の同市場拡大の原動力になると言う。(BT:3/1)
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