SEAnews 1999-03-11 ArtNo.18453

【シンガポール】シンガポール・テクノロジーズ・グループの半導体製造子会社チャータード・セミコンダクター・マニュファクチュアリング(CSM)は、チップ市場の回復を見越して2002年の操業開始を目処に、来年第6ウエハー工場の建設に着手する可能性を検討している。
ＣＳＭのバーリ・ウェイト重役(CEO)が9日明らかにしたところによると、第4ファブにおけるヒューレット・パッカードや第5ファブにおけるルーサント・テクノロジーとの合弁同様、新たな技術パートナーを求めるか、単独で進めるか、あるいは銀行のような非チップ会社をパートナーにするか、目下検討している。適切なパートナーさえ選べば、投資条件は整っていると判断されるが、最終決定を下す前に全ての可能性を検討する必用があると言う。
ウェイト氏は投資額等の詳細は語らなかったが、一般に新ファブのコストは20億Ｓドル前後で、その建設には数年を要する。ＣＳＭ自身のファブ2とファブ3の他、ＣＳＭがＨＰ社及び経済開発局(EDB)と合弁で設立したチャータード・シリコン・パートナーズ(CSP)のファブや、ＣＳＭとルーサント・テクノロジーが合弁で進めるシリコン・マニュファクチュアリング・パートナーズ(SMP)のファブも、皆ウッドランズに位置する。これに対して、6インチ・ウエハーの製造を手がけるファブ1はサイエンス・パークを拠点にしている。
ファブ1とファブ2はフル稼働、ファブ3は半ばフル操業、ＳＭＰは本格的操業を開始したばかり。これに対してＣＳＰは今年製造設備を据え付け、来年から稼働する予定だ。
世界のファンドリー(ｻｰﾄﾞ･ﾊﾟﾃｨｰのためのｳｴﾊｰ･ﾌｧﾌﾞ)ビジネスは昨年5％の縮小を見たが、ＣＳＭの営業額は14％アップした。市場調査会社データクエストは今年同ビジネスの19％の成長を予測しているが、ＣＳＭは30％の成長を目指している。ファンドリー・ビジネスは2000年には28％、2001年には36％の成長が見込まれている。
ウェイト氏は底入れした市況が、好調を保つ理由として次の3点を指摘した。第1にチップ産業は2～3年の好況と不況を繰り返すのが常だが、今回の復調は極めて強力で少なくとも2、3年は持続するものと見られる。第2にファブレス企業が好調な成長を遂げているが、こうしたファブレス企業はファンドリー産業に依存している。第3にヒューレット・パッカードやモトローラのような伝統的チップ・メーカーも益々ファンドリーへの依存を強めている。
モトローラのチーフを務めたウェイト氏が昨年5月にＣＳＭの舵取りを引き受けて既に10カ月になるが、ＣＳＭはロー・マージンのメモリ・チップではなく、システム・レベルのチップ・メーカーを目指す。様々な機能をシリコン上に統合したシステム・レベルのチップの製造は、子供の養育と同様、異なる成長期に対応した異なる処理が必用で、ＣＳＭは顧客の知的財産の創造を支援する。これは顧客の向こう数年の技術需要に応じる極めてハイ・グロースな領域と言える。
例えばルーサント・テクノロジーとは、最新のコパー＆アルミニウム・テクノロジーを応用し、共同でファブリケーション・プロセスを開発する。開発された技術は、ＳＭＰや両社の独自のファブで応用することができると言う。(BT,ST,LZ:3/10)