SEAnews 1999-04-16 ArtNo.18821

【クアラルンプル】マレーシア高裁は13日、アンワル前副首相に職権濫用罪で6年の懲役刑を判決したが、アンワル氏の支持者らはクアラルンプル市内で抗議デモを展開、警察機動隊と衝突した。また米、英、ニュージーランド政府は判決に遺憾の意を表明した。
この日、1970年非常事態(職権)令2（1）違反を理由に有罪判決を下したオーガスチン・ポール判事は、「同法の目的は政治家や公務員の職権濫用を途絶することにある。マレーシア政界ナンバー・ツーの座に有った被告の犯した罪は直接行政の核心を揺るがすものである」とし、懲役6年を宣告した。
同判決後数千人のアンワル氏支持者はＫＬ市内をデモ行進したが、一部の者は路傍のゴミ箱等に放火、機動隊に投石した。これに対して機動隊は放水と催涙ガスで応戦、国民正義党のティアン・チュア副議長補を含む十数人が逮捕された。
ホワイトハウス・スポークスマンはこの日、過去2カ月、公判審理の不公正に懸念を抱いてきたとするとともに、マレーシアの司法制度には深刻な欠陥が存在するとコメントした。翌日にはアルバート・ゴア副大統領や国務院スポークスマンもマレーシアの司法手続き等を厳しく批判する談話を行った。
ニュージーランド外相は判決はマレーシア国民と全世界を落胆させる内容であったとするとともに、服役中のアンワル氏の身の安全を保証するようマレーシア当局に呼びかけた。英国外相はそのステートメントの中でマレーシアの行政と司法の癒着に強い懸念を表明した。(ST,BT,LZ:4/15)