SEAnews 1999-04-26 ArtNo.18916

【クアラルンプル】マハティール首相は22日、第7次マレーシア計画(7MP)見直し報告書に関わる65分に及ぶ国会演説を無事終了したことに満足の意を表明、「このことは自分にとっても政府にとっても重要なこと」コメントした。
最近の外遊後軽い肺炎にかかり10日間の入院治療を受けた首相は、この日久々に公式の活動に参加したことから、マスコミや各方面の注目を呼んだ。1989年に心臓冠状動脈のバイパス手術を受けたことのある首相は、この日1、2度コプの水を口にしただけで、65パラグラフの演説を無事終了した。
一方、マハティール首相は、同記者会の席上、アンワル前副首相に暴行したラヒム・ノール前警察長官が起訴されたにも関わらず、政府批判を続けるものは、思想に問題があるとするとともに、男色や女性問題を巡りアンワル前首相に辞職は勧告したが、辞職するか、起訴されるか、選択を迫ったと言うのはアンワル前副首相の作り話に過ぎないと語った。閣僚や政府高官が辞職後起訴される現象はよく目にされることで、アンワル前副首相にも辞職を勧告した。しかし起訴するかしないかは検察官が決めることで、首相とは無関係と言う。
この日、ラヒム・ノール前警察長官は、アンワル前副首相に暴行を加え、重傷を与えた廉で起訴されたが、罪状を否認、保釈金も積まず、無条件で釈放された。関係公判は5月21日から開かれる。
他方、23日にはアンワル前副首相の元秘書モハド・アズミン・アリ氏とアンワル氏の異母弟スマ・ダルマワン・サアスミタア・マジャ氏、そしてファッション・デザイナーのミオル・アブドゥル・ラザ・ヤハヤ氏が、そろって偽証罪で起訴された。アンワル氏の異母弟はアンワル氏との異常性行為を理由に有罪判決を受け、既に刑期を終了したが、自分が罪を認めたのは警察に強要されたためとして、控訴していた。またミオル氏も一旦はアンワル氏との異常な関係を認め、アンワル公判の検察側証人に名を連ねていたが、その後やはりアンワル氏との異常な関係に関する証言は警察から強要されたものと声明していた。
アンワル氏自身も、夫人の元運転手との異常性行為を巡り、27日に再起訴される見通しだ。アンワル氏はその地位を利用して警察の関係捜査に干渉した罪で既に6年の懲役刑を判決されている。
米国のロバート・ルービン財務長官は22日、アンワル前副首相に対する有罪判決はマレーシアの司法制度の欠陥を証明するものと述べるとともに、アンワル氏の控訴が成功し、無罪放免されるよう望むと語った。(ST,BT,LZ:4/23)