SEAnews 1999-05-11 ArtNo.19087

【コインバトール】スチール・オーソリティー・オブ・インディアLtd(SAIL)傘下の特殊鋼製造部門Salem Steel Plant(SSP)は新戦略を導入し、鉄鋼業界を襲ったリセッションに対処、経営の安定化に努めている。
ＳＳＰは過去3年、持続する内外需要の下降からボトム・ラインに深刻な影響を被っていた(SEAnews98/06/15,99/01/20,99/04/15,99/04/19参照)。新戦略には輸出市場向け薄板やニッチ市場向け特殊グレード品の製造、付加価値アップ、圧延キャパシティーの賃貸を通じた稼働率アップ、市場需要にマッチした生産スケジュール、コスト削減が含まれる。
厳しい競争環境下の薄板市場への進出に当たっては、付加価値の高い製品の製造に努める方針で、既に0.2ミリの薄板の製造に成功、パイプラインのガスケット用鋼材40トンを初めて英国に輸出している。
公認ＬＰＧスチール・メーカーの認定証取得を目指して、石油産業技術委員会(OITC)との交渉も進めている。ＳＳＰは最近ＬＰＧグレード・スチール・コイルの供給を手掛けているが、同認定証が得られれば、ＬＰＧシリンダー・メーカーに直接ＩＳ6240等級鋼板を納入できる。
また溶接鋼管のプロモーションにも努めている。同社によると溶接鋼管はシームレス鋼管に比べコスト効率が高い。ＳＳＰは1998／99年度には鋼管メーカー、製糖会社、化学会社、セメント会社、水供給事業向けにこの種の高付加価値製品1200トンを納入した。
低価格な輸入品との競争過熱やアジア／欧州スチール・メーカーのダンピング攻勢に直面したにも関わらず、1998／99年度国内販売は3％拡大した。1999／2000年度の目標生産量は21万トンで、内15万3000トンは熱間圧延製品、5万7000トンは冷間圧延ステンレス・スチールとなている。(THBL:5/8)