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1999-09-11 ArtNo.20372
◆<馬>アンワル前副首相、砒素中毒で入院、政治陰謀?
【クアラルンプル】アンワル前副首相の弁護士は10日の公判廷において、被告の尿中から異常に高い砒素が検出され、放置すれば慢性砒素中毒で死亡する恐れがあると訴えるとともに、背後に被告の毒殺を図る政界高層の陰謀が存在する可能性があると指摘した。このため裁判官は直ちに被告の入院検査を指示、ソドミー公判は無期休廷された。またアンワル氏は同日午後、何者かが同氏の毒殺を図ったとして警察に調査を求める手続きを採った。
アンワル氏の弁護を引き受けた野党民主行動党(DAP)のカパール・シン副議長がこの日の公判廷で明らかにしたところによれば、アンワル氏の尿サンプルをスブラマニアムの偽名でメルボルンの研究所に送り検査したところ、尿中のクレアチン1グラム当たり230マイクログラムの砒素が検出された。これは通常の水準(3マイクログラム)の77倍で、人体に有害とされる17マイクログラムを遙かに上回っていると言う。
アブドラ・バダウィ副首相は夕刻記者会見し、何者かがアンワル前副首相の毒殺を図った可能性がある事件にマレーシア政府が関与しているとの非難を重視し、事件の徹底解明を指示したことを明らかにした。
マレーシア政府筋は、アンワル氏の尿サンプルは8月18日にメルボルンに送られ、その1週間後には検査結果が明らかになっていたはずにも関わらず、アジア太平洋地域経済協力会議(APEC)サミットの開幕時期の今になって初めて明らかにされたことに不審を表明した。地元紙はまた、アンワル氏の尿サンプルがどのようにして拘置所の外に持ち出されたのか、またアンワル氏は何故尿検査を思い立ったのか、にも疑問が残ると報じている。
しかしアンワル氏の夫人、ワン・アジザ女史は、当初自分は夫が拘留中にエイズに感染させられる危険を感じたが、殴打事件に続く今回の事件はこうした悪夢が現実のものになる可能性を示していると強い懸念を表明した。(ST,BT,LZ:9/11)
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