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1999-11-18 ArtNo.21062
◆<星>首相、健全な野党育成計画に興味喪失?
【シンガポール】人民行動党(PAP)は、一度はそれ自身を二大政党に分割し、健全な野党を育成する可能性を検討したが、実際問題としてシンガポールにはそうしたことを可能にする十分な人材が存在しないことを発見、この種の試みに関心を失ったようだ。
PAPの結党45周年を祝う“For People Through Action By Party”と題する出版物の中で、ゴー・チョクトン首相が語ったところによれば、PAPは当初、国政運営の基礎については共通の認識を有するが、個々の政策やタイミング、あるいは実行方式について意見を異にする2グループが、2大政党を形成、それぞれのアイディアを実現する能力やパーソナリティーを競い合うと言ったシナリオを考えたが、ゴー首相自身は、今となってはこの種の構想にニュートラル、もしくは放棄してもいいと考えている。
ゴー首相は、「もし、現在、内閣の中央に一線を引き、二大政党制を導入しても、それでシンガポールは利益を得られるだろうか」と反問、「表面的にはグッド・アイディアに見えても、それはシンガポールに損失をもたらすだけである」と結論。さらに「何か差し迫ってせねばならない場合、必要なのは強力なチームであり、既存の与党を二分して野党陣営を組織するような余裕はない。考え得るソルーションはPAPがより多くの人材をリクルートし、異なる意見のものも党内に受け入れること」と補足している。
首相によると、リー・シエンロン副首相やトニー・タン副首相は依然として党を二分しても良いと考えており、首相自身そうしたことが将来発生する可能性を否定するものではないが、少なくとも向こう10年間には発生しそうにない。何故なら目下のところ若手閣僚らは、極めて良好な協力関係を保っており、党を二分するようなパーソナリティーもイデオロギーの対立も存在しない。PAPはその45年の歴史を通じて、シンガポールの団結を維持するための組織として機能してきた。PAPの価値観は、国民の価値観であり、同価値観こそがシンガポールの団結を維持してきた。PAPのこうした歴史的背景も軽視することはできない。
また既存の野党が近い将来、PAPに深刻な脅威を及ぼす可能性は少ない。1997年の総選挙は象徴的な意味があり、PAPは野党から2議席を奪還、得票率も前回の61%から65%に高めた。
目下野党のが握っているポトン・パシル区とホウガン区についても、首相はPAP公認候補らに果実が熟して自然に落ちるのを待つよう励まして来たが、ポトン・パシル区は次の選挙当たりに収穫が見込め、ホウガン区が与党の手に帰する日もそれほど遠い先のことではないと言う。(ST,BT,LZ:11/17)
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