SEAnews 1999-11-22 ArtNo.21088

【シンガポール】シンガポールの10月の国産非石油製品輸出は予想外の15.3％の伸びを見、過去最高の92億Ｓドルをマークした。
貿易開発局(TDB)が20日発表したところによれば、シンガポールの輸出志向型製造業の健康状態を測るバロメーターとされる国産非石油製品輸出の伸びは9月には6.8％に鈍化していたが、アジア経済の回復に支えられ、域内市場向け輸出が力強い成長を遂げた上、欧米向けも穏やかな成長基調を維持したことから、再び二桁成長を回復した。
国産電子製品輸出の成長は、集積回路(IC)が25.2％、通信機器が37.5％、プリンターが27.3％、プリント基板アセンブリー(PCBA)が14.2％、コンピューターが7％と、ほとんどの品目がプラス成長をとげたが、最大の輸出品目ディスク・ドライブ(HDD)の輸出が11.3％ダウン、全体では4.8％の成長にとどまった。
国産非電子製品輸出の成長も、欧州向け薬品輸出や日本向けディスク・メディア輸出の好調に支えられ、21.7％の成長を記録した。加えて国産石油製品の輸出が14億3500万Ｓドルと、40.1％の伸びを見、この結果国産品輸出は18.1％増の106億3300万Sドルを記録した。
国産非石油製品の対米輸出は23億8700万Ｓドルと、0.4％の微増にとどまった。ＩＣ、マイクロプロセッサー、プリント基板(PCB)、薬品原料等はいずれも、好調だったが、最大品目のＨＤＤ輸出の不振が全体の足を引っ張った。
国産非石油製品の欧州向け輸出は20億1400万Ｓドルと、昨年同月比7.8％の成長を見た。薬品原料、通信機器、ＩＣが同市場への輸出の伸びを牽引した。
国産非石油製品のマレーシア向け輸出は11.6％増の11億400万Ｓドルと、連続6ヶ月のプラス成長を記録した。ＩＣ、ＴＶブラウン管、ＰＣＢの輸出はいずれもプラス成長を遂げたが、ＰＣＢＡ、半導体部品の輸出は下降した。
国産非石油製品の対日輸出は27.4％増の7億3600万Ｓドルを記録、ディスク・メディア、ＩＣ、ＨＤＤの輸出がプラス成長を見たが、パーソナル・コンピューター(PC)の輸出は依然振るわなかった。
非石油製品の中継輸出も71億2500万Ｓドルと、13.0％アップ、石油製品の中継輸出が37.5％減の2500万Ｓドルにとどまったにも関わらず、中継輸出は全体で12.7％の成長を見た。この結果、総輸出は、15.95増の177億8300万Ｓドルに達した。
一方、数ヶ月後の製造業の動向を占う目安とされる非石油製品の輸入も152億5900万Ｓドルと、21.2％の成長を見た。石油輸入は69.7％増の17億Ｓドルで、総輸入は24.8％増の169億5900万Ｓドルに達した。この結果、往復貿易は20.1％増の347億4200万Ｓドルとなった。(ST,LZ:11/21)