SEAnews 1999-12-10 ArtNo.21285

【シンガポール】日立製作所、新日本製鐵、シンガポール政府の35：35；30の合弁に成る総投資額13億ＳドルのHitachi Nippon Steel Semiconductor Singapore(HNSSS)は、世界的なチップ産業の市況回復に伴い2000年3月期下半期に初の黒字を計上できる見通しだ。
昨年4月に操業を開始したＨＮＳＳＳは、日立にとって日本以外のアジアにおける初の半導体製造事業。ＨＮＳＳＳは製造したコンピュータ・メモリ・チップを、日本国内第3位のチップ・メーカー日立に納入、後者の半導体売り上げの12％、ＤＲＡＭ(dynamic random access memory)チップ製造の半ば以上に貢献している。
来年9億Ｓドルを投じた設備拡張を予定するHNSSSにとって、黒字転換は極めて重要な意味を有する。同社は銀行や投資家から必要資金を調達する計画だが、新日鐵は今年4月、同社としてはこれ以上ＨＮＳＳＳに追加投資を行わない方針を明らかにした。
ＨＮＳＳＳのカタヤマ・カツヒコ重役(MD)は、「需要は極めて強く、価格さえ安定していれば、黒字転換が見込める。設備拡張は今後の需要に応じるためには不可欠」と語った。新規投資によりシリコン・ウエハーの月間製造能力は現在の2万ユニットから2万5000～2万7000ユニットに拡大される。
半導体産業協会(SIA)の報告によれば、来年の世界の半導体販売は今年に比べ21％増の1740億米ドルに達する。今年については昨年比15％増の1440億米ドルが見込まれている。昨年の半導体販売は8％のマイナス成長に陥っていた。(ST,LZ:12/9)