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2000-01-19 ArtNo.21590
◆<星>CLOB問題は民間提案では解決できない:副首相
【シンガポール】リー・シエンロン副首相兼金融管理局(MAS)会長は17日の国会答弁で「民間の提案は、シンガポールの店頭市場セントラル・リミット・オーダー・ブック(CLOB)で取り引きされ、マレーシア当局により凍結されたマレーシア株を巡る問題の解決策を提供することはできない」との判断を示した。
それによると、問題は法律に基づき、またClob投資家及びマレーシア当局の権利と義務に照らして処理されねばならない。また問題が世界貿易機構(WTO)に提訴された際は、シンガポール政府とマレーシア政府の間で解決が図られねばならない。民間の提案は、法律の拘束を受けた義務や関係方面の法的責任を免除することはできない。
マレーシア当局は1998年に資本管制を導入した際、Clobで取り引きされていたマレーシア株を凍結するとともに、Clobはマレーシア当局が承認せぬ非合法市場であると宣言した。それ以来、5つの民間部門が凍結されたマレーシア株の買収を提案しているが、いずれもシンガポールの投資家との間の協議が妥結していない。
リー副首相は「公正の基準は何かと言えば、法律と契約に基づくものである」とし、リチャード・フー蔵相が1月13日にマレーシアのダイム蔵相に送付した書簡を披露した。同書簡は、クアラルンプル証取(KLSE)がシンガポールのCentral Depository Pte Ltd (CDP)とマレーシアのSecurities Clearing Automated Network Services Sdn Bhd (Scans)との間で結ばれた合意に伴う義務を遂行するよう、ダイム蔵相に求めている。
CDPと、KLSE子会社のSCANSの合意の下、CLOBで取り引きされたマレーシア株は、マレーシア中央預託機関(MSD)の個別口座に収められることになっていた。CDPとSCNSの協定は、同問題を解決する鍵になるが、マレーシア当局は両者の合意を無視する姿勢をとっている。関係協定は合法であり、マレーシアの法廷は同協定により発生した法律義務の遂行を命じることができる。
シンガポール政府はWTO法律専門家にもアドバイスを求めたが、それによるとマレーシアのClobに対する措置は、貿易とサービスに関するWTO一般協定に定められた最恵国待遇規定に違反している。何故ならマレーシア政府は、Clobに対して他の諸外国の証券取引所に対するものと異なる差別待遇を行っているからである。
シンガポール政府は、WTOに提訴するデッドラインを設けているのかとの質問に、リー副首相は、「問題の解決を際限なく先送りすることはできず、早急に処理する方針だが、シンガポール政府が一方的にデッドラインを宣言しても、問題解決の助けにはならない」との考えを示した。
シンガポール取引所(SGX)とシンガポール政府は、マレーシアとの二国間問題としてClob問題を処理することを望んでおり、その線に沿って最善を尽くす。従って二国間問題としての処理が失敗した場合に、如何なる措置を採るかを今討議するのは時期尚早と言う。(ST,BT,LZ:1/18)
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