SEAnews 2000-05-02 ArtNo.22321

【ムンバイ】中央銀行Reserve Bank of India(RBI)のBimal Jalan総裁は先週木曜(4/27)、新たな“流動性調整措置(LAF)”や銀行の保険市場進出の最終ガイドライン等が盛り込まれた“リフレクティブ・ポリシー(内省的政策)”と銘打った2000／01年度上半期の金融政策を発表した。
インディアン・エクスプレス／エコノミック・タイムズ／ヒンドゥー・ビジネス・ラインが先週金曜(4/28)報じたところによれば、予想された通り主要金利は現状にとどめられる見通しだが、金融市場の奥行きと深みを拡大する諸施策が講じられる。
ジャラン総裁は、銀行信用に関わる全ての法規を厳正に適応、インフレ動向も注視するこれまでの姿勢を再確認するとともに、必要な際には銀行の現金準備率(CRR)を一層引き下げることも示唆した。
ジャラン総裁は、楽観的な6.5－7％の国内総生産(GDP)成長率と4.5％のインフレ見通しを示す一方、内外の予期せぬ出来事により、こうした見通しが大幅に変化する可能性を指摘、必要と認められれば、躊躇なく金融引き締め策を再導入する方針を確認した。同総裁は銀行界も偶発事故対策を立案し、予期せぬ出来事に対処するよう勧告した。
この日発表された諸施策の中で最も注目されたのは、段階的導入が図られる総合的“流動性調整措置(LAF)”で、これはNarasimham委員会により提案された金融部門改革案に基づくもの。
これ以前の暫定流動性調整措置(ILAF)に取って代わるＬＡＦは、輸出信用を除く、ほとんど全ての再融資スキームにおける最終融資者としての中央銀行の役割を強化し、また短期ルピー債の利回り曲線を補強している。
従来のシステムにおいては銀行やプライマリ・ディーラに対し固定レートが保証されたが、最終レンダーとしての中央銀行の役割は軽んじられた。ＬＡＦはレポ・オークションやリバース・レポ・オークションとして、三段階に分けて導入される。
ＲＢＩはまた銀行の連結バランスシートに、自発的にリスク・コンポーネントを組み込むよう求めており、この他、新ポリシーには金融市場整頓措置、政府証券清算システムの改善、輸出信用再融資スキームの規制緩和、金融会社の定期預金金利の自由化等が盛り込まれている。