SEAnews 2001-05-17 ArtNo.26052

【ニューデリー】年商170億米ドルのインド・ヘルスケア市場は向こう6年間年率13％の成長が見込まれ、民間ヘルスケア市場は80万クロー(US$1713億)に拡大、健康保険市場に限っても現在の7億6100万米ドルから2005年までに4倍の40億米ドルに成長する見通しだ。
エコノミック・タイムズ、ザ・ヒンドゥー、ヒンドゥー・ビジネス・ラインが5月16日、インド産業連盟(CII:Confederation of Indian Industries)の調査報告を引用し伝えたところによると、ＣＩＩのCEOs forumは需要と供給のミスマッチ、取り分け良質なヘルスケア施設の不足が、民間企業に大きな機会を提供していると指摘している。例えば人口1万人当たりの医師の数は米国では2340人であるのに対し、インドでは43人に過ぎない。
また世界保健機構(WHO)のレポートによれば、インドの病院は向こう5年間毎年8万床のベッドを追加する必要が有り、膨大なベッドの不足は、やはり民間部門に大きなチャンスを提供している。Tata、Apollo、Fortis、Max Wockhardt、Piramal、Ispat、Duncan、Escorts等の企業は既に多額の投資を行いムンバイ、ニュー・デリー、チェンナイ、ハイデラバード等の都市に先進的な病院施設を設けている。
保険市場の民営化に伴う機会も注目され、新たなヘルスケア流通システムがインドに誕生するものと予想される。こうした変化は、特約医療機構もしくは優生供給組織(PPO:Preferred Provider Organization)の形式におけるいわゆる管理医療(managed care)システムが開発されたことに伴うもので、同システムは健康管理組織あるいは健康維持組織(HMO:health maintenance organisations)に変容するものと予想される。ＨＭＯは既に西側諸国で流行している。
現在インドでは総人口の0.2％に相当する200万人がMediclaimによりカバーされているに過ぎないが、最近の調査によると潜在市場は3億1500万人にのぼる。また現在の保険加入者は世帯収入の2％を保険料に当てているが、同比率は6％に拡大し得ると言う。