SEAnews 2002-04-26 ArtNo.28693

【ムンバイ】国際標準からすればHindustan Copper Ltd(HCL)のキャパシティーは余りにも小規模なことから、国際金属／鉱業会社はＨＣＬの民営化に関心抱かないものと予想される。
エコノミック・タイムズが4月22日伝えたところによれば、インド国際銅産業振興委員会(ICPCI：International Copper Promotion Council of India)が先週マハラシュトラ州Mumbaiで主催した銅セミナーには、世界最大の銅精錬会社Codelco、フィンランド拠点のOutokumpu、BHP Bilton、PT Freeport等、多くの多国籍銅会社の幹部が参加したが、これらの企業の年産量は25万トン以上で、例えばドイツの銅製品製造会社Wielantはインドの全生産量の2倍以上にのぼる年間50万トン以上の銅を消費、様々な製品に加工している。
これに対してＨＣＬがラジャスタン州KhetriとMaharashtra州Talojaに設けた精錬施設の合計年間製造能力は5万トンに過ぎない。国際的には、最低25万トンの年産量が必要と見られており、こうした点からも国際企業はＨＣＬの民営化に関心を抱かないものと予想される。ＨＣＬは昨年、Khetriの年産量を3万1000トンから4万5000トンに拡張することを計画、Outokumpuと地元のMetallurgical & Engineering Consultants India Ltd(Mecon)をコンサルタントに指名したが、同計画は民営化計画が完了するまでまで、繰り延べられた。同拡張プロジェクトのコストは50クロー(US$1022万)と見積もられている。
ＨＣＬは垂直統合型事業を展開する小規模な銅製造会社で、採鉱(mining)、選鉱(beneficiation)、製錬(smelting)、精錬(refining)、連続鋳造棒の製造(continuous cast rod manufacturing)等を手掛けている。ＨＣＬはまた金、銀、硫酸ニッケル、セレン、テルル(telurium)、肥料等も副産物として生産している。2001年3月31日時点の就業者数は、前年の1万5271人から1万2043人に削減された。ＨＣＬは2001年3月期18ヶ月間に110.8クロー(US$2264万)の累積損失を計上した。インド政府は98.95％の持分全てを処分する方針で、ニューデリー拠点のAF Ferguson and Companyが同民営化計画の顧問を務めている。入札意向書(EOI:expressions of interest)の提出期限は今月30日だが、これまでに地元のSterlite Industries、Indo Gulf、Finolex Cable等が、入札の意向を表明している。