【チェンナイ】二酸化チタン製造施設の建設を計画するTata Iron and Steel Company Ltd (Tisco)は6月27日、タミールナド州沿海地域でミネラル・サンドの技術経済調査を実施することに関する覚書をタミールナド州政府と交換した。
インディアン・エクスプレスが6月28日、TiscoのB Muthuraman重役(MD)の言を引用し伝えたところによると、Tiscoは同プロジェクトに向こう3～4年間に1600クロー(US$3.26億)を投資する。事業化調査に関しては、タミールナド州南部Tirunelveli県のNavaladi／Sathankulam／Kuthiramozhi地区(約250平方ｷﾛ)を掘削して得たサンプルの調査が行われ、金紅石及びチタンの製造に如何なるプロセスを用いるかが決定される。同事業化調査のコストは15クローで、18ヶ月を要する。一次選考を通過した世界的にも著名な企業4社中の1社に技術経済調査が委ねられる。同調査は州政府から必要な認可が下り次第着手される。
プロジェクトは事業家調査終了後、2段階に分けて進められる。第1段階では600～700クロー(US$1.2億-1.4億)が投じられ、合成金紅石(synthetic rutile)が製造される。第2段階では1000クロー(US$2.04億)が投じられ二酸化チタンが製造される。直接間接に3000人分の就業機会が創出される見通しで、第2段階のプロジェクトは、第1段階の完成後、2年して着手される。Tiscoは30ＭＷ(ﾒｶﾞﾜｯﾄ)の電力と1200万ガロンの水の供給に関して州政府に支援を求めている。
関係地で採取された砂には8～10％の重金属が含まれており、これらの金属を抽出した後、残りの90％は元の土地に戻される。また関係地の人口は極めて少なく、このため生態学的な環境悪化を生じさせる恐れはない。Tiscoはジャールカンド州Jamshedpurで実行したのと同様なグリーンニング計画を準備している。Tiscoが1907年以来グリーンニング計画を実行して来たJamshedpurは、国内随一のグリーン・シティーになっている。
Tiscoは未来金属と称される二酸化チタンに大きな関心を寄せており、カルナタカ州、アンドラプラデシュ州、オリッサ州でも同資源を採取することを計画していると言う。