【コルカタ】西ベンガル州Kolkata拠点のジュート事業家Joy Kankaria氏が、Maharashtra Scooters Ltd (MSL)のマハラシュトラ州政府持分27％を、1株200ルピーで買収する意向書(EOI:expression of interest)を提出した。
ビジネス・スタンダードが6月17日伝えたところによると、Priyaスクーターの製造を手がけるＭＳＬには、西マハラシュトラ開発公社(WMDC:Western Maharashtra Development Corporation)が27％、Bajaj Auto Ltd(BAL)が24％、それぞれ出資、ＢＡＬのRahul Bajaj会長がＭＳＬ会長を兼務している。
Kankaria氏の買収提案価格は、ＭＳＬの16日の終値79ルピーの2.5倍弱、BALが昨年3月にオファーした50ルピーの4倍にのぼる。ＭＳＬの過去52週間の最高価格も101ルピーに過ぎない。首尾良く27％の州政府持分を買収したものは、別途20％のシェアを同じ価格で公開買い付けせねばならない。したがって1株200ルピーで合計47％のシェアを買い取るコストは107クローになる。
Kankaria氏は5月末にマハラシュトラ州のSushil Kumar Shinde首席大臣に宛てた書簡の中で、デュー・ディリジェンスを行うことを認めるよう求めるとともに、信用格付け会社Credit Rating Information Services of India Ltd(CRISIL)が作成した評価レポートの写しを要求していた。Kankaria氏の200ルピーのオファー価格は、Crisilの評価をベースにしたものと言う。実際の入札価格は200ルピーを上回る可能性も有る。
インドとネパールに複数のジュート工場を保持するKankaria氏は、貸家の賃貸収入だけで毎月数クローにのぼるとし、資金繰りに問題はないと述べている。またスクーター工場の経営関しては、外国企業の技術支援を得るとし、経営支配権を掌握するためには、ＢＡＬとの買収戦も辞さない意向を表明した。
ＭＳＬの昨年の営業額は62.48クロー(US$1333万)、純益は304万ルピー(US$6.5万)で、155.29クロー(US$3312万)の準備金も保持している。