SEAnews 2003-07-28 ArtNo.31638

【ニューデリー】これまでインドのシャーディ(shaadi：結婚)ビジネスは不況知らずの安定産業と見なされて来たが、ヒンドゥー暦は今年を結婚には不吉な年としており、宝飾品、既製服、耐久消費財等の業界は、結婚式の延期により打撃を受けそうだ。
エコノミック・タイムズが7月25日伝えたところによると、非ヒンドゥー教徒は異なる暦を用いるにしろ、占星家は今年11月の第4週から3週間と来年1月半ばまでの1ヶ月を不吉とし、同期間の結婚は避けるよう説いている。
多くの家庭は結婚に際してテレビジョン(TV)、洗濯機、冷蔵庫、さらには電子レンジ等を、まとめて購入するため、結婚式延期の耐久消費財産業に対する影響は大きい。最大市場を成す北部地区では、売上げの顕著な落ち込みが予想されている。
SansuiのAnil Khera重役(COO)は「ウッタルプラデシュ、パンジャブ、デリー等の地域は問題。加えて今年は結婚式シーズン以外の祝祭日も少ない」と懸念を表明した。しかしLG ElectronicsのGanesh Mahalingam営業主任は「内陸の需要は下降するかも知れないが、全体の市況にさしたる影響が生じるとは思わない」と楽観的見通しを示した。
宝飾店TBZ MumbaiのVijay Zaveri氏は「5月と6月の客足は遠のき、影響は既に街角に現れている。7月には持ち直したものの、グジャラート人等、トップ宝飾品顧客は、厳格に暦に基づいて結婚式の日取りを決めるため、Diwali(ヒンドゥーの祝日)のブームは期待できない」と語った。
衣料品は、結婚式に際して需要が増す、もう一つの業種だが、Raymond社のNabankar Gupta社長は、「問題は結婚式場のロケーションが隣接する河川の上流に位置するか、下流に位置するかにより異なる。北部を除けば、大部分の地域は結婚式の良好な日よりに恵まれている。司祭は、当然問題克服の妙案を探し出すため、売上げに大きな影響が出る恐れはない」とやはり強気な見通しを語った。
もし実際に結婚式が延期されれば旅行代理店もハネムーン予約の落ち込みで打撃を受けそうだ。人々が星占いを無視するか、司祭がループホールを見いだすか、あるいは本当に結婚式が延期されるかは、今年末までに自ずから明らかになるものと見られる。