SEAnews 2003-12-24 ArtNo.32576

【ムンバイ】ロンドン金属取引所(LME)における主要非鉄金属が値上がりする中、世界最低コストのアルミ生産者の1社に数えられるNational Aluminium Co (Nalco)は、インド政府に4000クロー(US$8.79億)を超える第二期拡張計画を提出した。
インディアン･エクスプレスが12月22日報じたところによると、Nalcoは第2期計画では、ボーキサイトの年産能力を480万トンから630万トンに、アルミナのそれを157万トンから210万トンに、アルミニウムのそれを34万5000トンから46万トンに、それぞれ拡張する。
NalcoのCV Venkataramana会長兼ＭＤが同紙に語ったところによると、中国の需要拡大は、中国にプレゼンスを築くチャンスだが、同社は既にアルミナを輸出、アルミニウムに関しても多くの引き合いを得ている。中国市場における難関の1つは高いロジスティクス･コスト。ロシア、西アジア、南アフリカ、オーストラリアの製品も中国に流入しており、これらとの競争も克服せねばならない。
今年(2003-04)の輸出額は、8月までに666クロー(US$1.46億)に達し、通年では1600クロー(US$3.51億)に達するものと予想されているが、Venkataramana会長はこの点に関して「輸出目標は、国際市場のシナリオや国際価格､国内における需要や価格に左右される。Nalcoはこれらの要因を見極めた上で、最適な目標を立てる」とする一方、「今年の輸出額は昨年実績を上回る」と見通した。
アルミニウムの国内生産は拡大しているが、国内需要はそれに比例して増加していない。昨年度の国内生産量は67万8000トンで、6万トンの余剰が記録された。2006年までに国内生産は100万トンに拡大する見通しだが、国内需要は78万トンと予想される｡この点についもVenkataramana会長は「Nalcoは国内と海外の双方に顧客を確保している」と指摘、今年通年のNalcoの生産量については30万メートル・トンと見通した。
インドの国民1人当たりのアルミニウム消費は500グラム、中国は2.9キロとされるが、Venkataramana会長によると、国民一人当たりの消費量が小さいことは、確かに成長の潜在性を示している。中国における成長は、政府のインフラ投資と北京五輪が背景になっている。これに対してインドでは、包装、電気配線、機械設備等の領域における代替需要がアルミ市況を牽引する伝統的パターンが見られる。アルミニウムが優良材料であることに異論の余地はなく、国内経済の成長や政府の政策に応じて今後、その消費は一段と拡大するはずと言う。