SEAnews 1995-09-25 ArtNo.3289

【シンガポール】ワールド・エコノミック・フォーラム出席のためシンガポールを訪れたマレーシア証券委員会のムニル・マジッド委員長は22日、「シンガポール証取(SES)メンバーがスクリップレス・ベースでＣＬＯＢインターナショナルにおけるマレーシア株の取引を続けると言うＳＥＳの計画は、クアラルンプル証取(KLSE)及びマレーシア中央預託機関(MCD)と協議されるべきで、一方的な新聞発表で済まされるべきではない」との談話を発表、ＳＥＳの措置に遺憾の意を表明した。
ムニル委員長は「自分は18日に紙上でＳＥＳの決定を初めて知り、20日に新聞発表のコピーを手に入れた。チューペン(ﾘﾑSES会頭)がその後電話してきたが、ＫＬＳＥ及びＭＣＤとの協議を求めた」と語った。同氏によると、ＫＬＳＥがスクリップレス取引に移行するのに伴ってＣＬＯＢに何らかの問題が生じるとすれば、ＫＬＳＥ及びＭＣＤとの協議によって解決が図られるべきである。ＫＬＳＥとＳＥＳが89年に分離した際、両国の政府レベルで、マレーシア株がシンガポール市場から完全に撤収するまでの暫定的措置としてＣＬＯＢインターナショナルでの取引を認めることが協議されたが、協議は妥結せず、ＣＬＯＢの取引はその後益々盛んとなり、マレーシア株のシンガポール市場からの撤退も行われなかったと言う。
ＳＥＳの新方式の下、ＫＬＳＥが完全にスクリップレス取引に移行した後も投資家はシンガポールの証券会社を通じて取引を続けることができる。当該証券会社はシンガポールの投資家に代わってマレーシア銘柄のスクリップをＭＣＤに預託することになるが、ムニル委員長はＫＬＳＥメンバーにより取引されない仮証券の預託を認める用意が有るかとの質問には回答を控えた。(BT,LZ:9/23)