SEAnews 2004-11-03 ArtNo.34461

【ニューデリー】世界ＢＰＯ(business process outsourcing)市場の大きなシェアを占めるサービス・ハブとして浮上したインドは、比較的低コストな英語教育を受けた人材のプールを如何に拡大するかと言う困難な問題に直面している。
インディアン・エクスプレスが11月1日報じたところによると、ＢＰＯセクターだけで2008－09年までに新たに50万人の就業機会が創出され、2012年には100万人に達する。ＢＰＯ業界における現在の求職者と実際に職を得たものの比率は100：4だが、同比率が維持されるとするなら50万人を新規雇用するには1250万人にの求職者が存在せねばならない。こうした膨大な予備軍が必要とされることの他、コストの急増を如何に抑制するかも大きな課題と言える。
MeritTrackの共同創設者、Madan Padaki氏によると、長期的解決策は、人材のプールを拡大するエコシステムの構築と個々の人材の質向上と言える。前者は多くの機関による長期的な、また複雑な対策を講じる必要が有る。それに対して後者は比較的短期間に効果が期待でき、より現実的解決策と言える。
個々の人材の質向上に関しては、求職者の適性を検査する標準化された、また柔軟なシステムを構築することが重要と見られる。情報技術(IT)対応サービス(ITES)やＢＰＯ領域において広く受け入れられるメカニズムとしては、共通試験を設けることが挙げられる。この種の人材に事前に訓練を施すなら求職者と採用者の比率を100：4から100：8に引き上げることも可能で、そうなれば、ＢＰＯ業界のコストや人材プール面の困難を大幅に軽減できると言う。