SEAnews 2005-04-08 ArtNo.35320

【ニューデリー】Philipsはヘルスケア／ライフスタイル／テクノロジー3領域における市場志向型企業に変身する世界戦略に基づき、インドにおけるマーケッティングにもクラスター・アプローチを採用する。
エコノミック・タイムズが4月6日報じたところによると、Philips Indiaは近く類例のない広告ツールを用いて一連の広告キャンペーンを展開する。一定時間に少なくとも4～5種類の異なる広告を次々に流し存在感を高めるクラスター・アプローチの手法は、印刷媒体上では暫く前から一部に目にされるようになったが、コストが嵩むこともありテレビジョンではまだほとんど用いられていない。印刷媒体の場合は、一続きの異なるページに一連の広告を連続して掲載し、徐々に量を減らす方式がとられる。
Philipsグローバル・マーケッティング・マネージメントのEnderson Guimaraes主任によると、クラスターの手法は、同社の新ブランド・タグ“Sense”及び“Simplicity”が必要とする効果を発揮する。ヘルスケア、ライフスタイル、テクノロジーの3領域の広告全てにこの種の手法を用いる。PhilipsはPhilips Indiaの通常のマーケッティング予算に加えて次期四半期にクラスター広告に250万ユーロを投入する。同戦略は向こう数年続けられるためPhilipsの広告支出は顕著に増加することになる。
何故それほど多額な資金を広告に投じるかと言えば、Philipsは歴史的に技術と製造業務を中核にした企業だったが、今や市場志向の企業への変身を目指している。これまでは年間3000件以上の新特許を紹介、それに新アプリケーションを添えて市場に投入して来た。しかし今後は手軽で使い勝手のいい商品を携え、消費者に直接アプローチすると言う。
記者の「電子業界やモバイル・セグメントのライバル企業はiPodのようなアイコニック製品を梃子にブランド・イメージを構築しているが、Philipsは一体何を足場にするのか」との質問にGuimaraes氏は、「我々も心臓蘇生除細動器(heartstart defibrillators)やソニックケア電子歯ブラシ等の目玉商品を持っているが、これまでこうした製品についてさしたる宣伝を行わなかった」とし、「今後は新広告キャンペーンの下、より多くの画期的製品を紹介する」と付言した。