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2007-05-11 ArtNo.39437
◆ニッケル輸入税引き下げ、鉄鋼会社への恩恵は皆無?
【ニューデリー】ニッケル輸入税の5%から2%への引き下げは輸入業者のマージン改善に役だっても、ステンレス・スチール・メーカーや一般消費者にはさしたる恩恵を及ぼさない。
ビジネス・スタンダードが5月10日報じたところによると、中国方面の需要急増を背景にニッケルの国際価格は2006-07年を通じてトン当たり1万7000米ドルから5万米ドルに200%余り上昇、過去2ヶ月間だけで約50%アップした。こうした中でステンレス・スチール製造業者はより安い原料を求め、ニッケルそのもの使用を回避し始めている。したがって輸入税の多少の引き下げはニッケル・バイヤーに恩恵を及ぼすが、ステンレス・スチール・メーカーへの恩恵はそれほど大きくない。
インドで2006-07年に製造された180万トンのステンレス・スチールに必要なニッケルの50%は地金として輸入され、残りの50%はステンレス・スチール・スクラップが用いられた。業界消息筋によると、ニッケル輸入税引き下げのステンレス・スチール製造業者に対する恩恵は、ニッケル(地金)の消費量に依存している。
インド産ステンレス・スチールはニッケルの含有率により、200シリーズ、300シリーズ、400シリーズの3種類に大別される。このためニッケル輸入税引き下げに伴うステンレス・スチールのコスト・ダウンはニッケル含有率によりトン当たり200~2000ルピー。これに対してステンレス・スチールのトン当たり国内価格は8万~22万8000ルピーにのぼる。このため輸入税の3%ポイント引き下げの恩恵は目に見えるほどのものではない。
インドは2006-07年を通じてニッケル2万4000トンと、ステンレス・スチール・スクラップ1万2000トンを輸入した。
インド・ステンレス・スチール開発協会(ISSDA:Indian Stainless Steel Development Association)のN C Mathur会頭によると、急速な値上がりから2007-08年のニッケル輸入は停滞する反面、ステンレス・スチール・スクラップの輸入は66%の成長を遂げるものと予想される。現在の価格レベルからすれば、ニッケル輸入税の引き下げで輸入業者とステンレス・スチール製造業者は通年で147クロー(US$3500万)の恩恵を受けるものと見られる。ニッケルの高騰はステンレス・スチール業界にとって深刻な脅威になっており、ISSDAは政府にニッケル輸入税の全廃を求める方針と言う。
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