【ムンバイ】日本代表団を率いて今月末にインドを訪れる甘利明経済産業相は300億米ドルのインフラ投資計画を発表するものと見られる。
ビジネス・スタンダードが6月26日報じたところによると、投資プロジェクトには、ニューデリー・ムンバイ間の高速貨物鉄道の敷設、グジャラート州における港湾建設、ラジャスタン州における工業団地の開発が含まれるものと予想される。
日本企業15社の代表60人以上から成る代表団はニューデリーとマハラシュトラ州Mumbaiを訪れ、インド産業連盟(CII:Confederation of Indian Industry)やインド商工会議所連盟(FICCI:Federation of Indian Chambers of Commerce and Industry)等の業界組織と会合する予定だ。
今回の代表団には加わっていないものの、日本鉄鋼業界は、インドの同業界と長期にわたる関係を有する。インドは主要な対日鉄鉱石供給国で、つい1、2ヶ月前まで三井物産はインド第2の鉄鉱石輸出会社Sesa Goaを所有していた。新日鐵はTata Steelとの合弁を検討、日新製鋼は炭素鋼管及びステンレス鋼管合弁計画を発表、神戸製鋼はChowguleグループとアイアンナゲット(iron nugget)製造合弁交渉を進めている。この他、日本鉄鋼連盟(JISF:Japan Iron & Steel Federation)はインド鉄鋼業界への省エネ技術の移転に関心を寄せている。
甘利経産相の訪印は、安倍晋三首相の8月の訪印の先触れと見られる。Manmohan Singh首相は昨年12月に訪日し、両国間のビジネス連帯を強化することで合意した。観測筋は「日本はインドのインフラ産業に投資し、インドを欧州及び西アジア向け輸出基地、あるいは製造ハブにすることを目指している」と指摘する。