SEAnews 2008-04-18 ArtNo.40868

【チェンナイ】今年3月の食用及び工業用の植物油輸入量は50万2827トンと、昨年同月比28％増加、年初5ヶ月(oil year:2007/11-2008/3)の輸入は226万4497トンと、前年同期の164万2951トンに比べ38％増加した。
ヒンドゥー・ビジネスEラインが4月17日、インド溶媒抽出産業協会(SEAI:Solvent Extractors Association of India)の統計を引用し報じたところによると、3月の食用油輸入は前年同月の31万8000トンから42万1686トンに増加、非食用油輸入は8万1141トンを記録した。
11月から3月の間はカリフ(kharif初冬収穫作物)に収穫した脂肪種子のピーク搾油期間に当たり、大豆の収穫も記録的な940万トンに達した。加えて植物油価格は国内も海外もともに高水準だった。にも関わらず植物油の輸入が増加した理由の1つには、昨年の収穫が低調で、在庫が底をついていたことが上げられる。
SEAIのB.V. Mehta常務理事(ED)によると、中流所得層の所得が増え、購買力が高まったことも輸入増加の一因と見られる。今年通年の植物油輸入量は、昨年を多少上回る580万～600万トンに達するものと見られる。
パーム原油の輸入増加には、インドネシア政府が輸出税を引き上げるとの報道が関係している。精製植物油の輸入も昨年を2％ポイントほど上回っている。植物油輸入全体に占めるパーム油の比率は引き続き拡大、昨年の77％から88％に達した。
ラビ(rabi:春先収穫作物)作物の収穫減少が予想されること、国際価格が安定化すること、政府が非精製植物油の輸入関税をゼロに、また精製植物油のそれを27.5％に引き下げる方針を決めたこと等から、植物油の輸入は今後も増勢を辿る見通しと言う。