SEAnews 2008-04-30 ArtNo.40913

【ムンバイ】中央銀行Reserve Bank of India(RBI)は29日、3年来最高レベルに達したインフレを冷却化する狙いから市場の過剰流動性を引き上げ、ローン需要を抑制するため支払準備率(CRR:Cash Reserve Ratio)を8.25％に25ベイシスポイント引き上げた。CRRの引き上げは過去2週間来2度目のこと。しかし短期貸出金利の指標とされるレポレート(repo rate)や政策金利(reverse repo rate)及び公定歩合(Bank Rate)は据え置いた。
ヒンドゥー・ビジネス・ライン、インディアン・エクスプレス、ビジネス・スタンダード、エコノミック・タイムズが4月29日伝えたところによると、今回のCRR引き上げで金融体系から9000クロー(US$22.19億)の流動性が引き上げられる。中央銀行は4月17日にはCRRの50ベイシスポイント引き上げを発表しており、1万8500クロー(US$45.62億)を市場から引き上げたばかり。
CRRの再引き上げは7.33％に達したインフレを抑制するのが狙い。中央銀行はこの日発表した『2008－09年度年次政策報告書(Annual Policy Statement for the year 2008-09)』の中で、国際的な食料品とエネルギーの値上がりに伴うインフレ圧力はなお暫く続くと予想、インフレの許容範囲をこれまでの5％から5.5％に上方修正するとともに、中期的にインフレを3％のレベルまで引き下げるとしている。インフレ抑制策は、経済成長の鈍化を招くものと予想されるが、中央銀行は、国際金融市場及び国際商品取引市場の今日の動向は概ね同行のシナリオに織り込み済みであるとし、2008－09年の国内総生産(GDP)成長率は8～8.5％に達すると予想した。
ボンベイ証券取引所(BSE)では中央銀行の以上の発表後、取り分け無担保コール翌日物金利(overnight lending rate)据え置きが好感され、銀行株を中心に買いが入った。このためBSEセンシチブ指数(SENSEX)は一時、408.39アップし、17424.35を記録した。