SEAnews 2008-06-09 ArtNo.41081

【ニューデリー】インド政府は4日に催した政治問題閣僚会議(Cabinet Committee on Political Affairs)の席上、燃料小売価格の引き上げを承認した。これに伴い5日午前零時をもってガソリンは1リッター当たり5ルピー、ディーゼル油は同3ルピー、液化石油ガス(LPG)は1ボンベ(14.2ｷﾛ)当たり50ルピー、値上げされた。しかし国民の大多数、取り分け低所得層が家庭燃料としている残りの政府補助石油製品、灯油の価格は据え置かれた。
エコノミック・タイムズ、ヒンドゥー・ビジネス・ライン、インディアン・エクスプレス、ザ・ヒンドゥーが6月4／5日報じたところによると、Manmohan Singh首相は4日国民に向けたメッセージの中で、統一進歩連合(UPA:United Progressive Alliance)政権が国政を掌握した2004年5月当時の1バレル39米ドルから今日の130米ドルに国際原油価格が3倍以上に急騰する中で値上げせざるを得なくなった事情を説明、国民に理解を求めるとともに、各州政府に対し、中央政府に倣って石油関連税を引き下げ、値上げの国民に対する影響を最小限に抑制するよう呼びかけた。
それによると、中央政府は原油／ガソリン／ディーゼル油に対する関税を5％カット、これにより原油の輸入関税はゼロに、ガソリン／ディーゼル油のそれは2.5％に、航空燃料等、その他の石油製品のそれは5％に引き下げられた。またガソリン／ディーゼル油の消費税は1リッター当たり13.35ルピーと3.60ルピーに各1ルピー引き下げられた。
Murli Deora石油天然ガス相は、「もし値上げを行わなければ、国営石油マーケッティング会社3社は2008－09年を通じて24万5305クロー(US$574.48億)の損失を積み増さねばならなかった」と指摘した。石油省のM.S. Srinivasan次官によれば、今回の燃料価格の引き上げの物価への影響は0.5～0.6％と見積もられると言う。