SEAnews 2008-09-01 ArtNo.41372

【コルカタ】これまでに合計年産能力3500万トンの鉄鋼プロジェクトの誘致に成功した西ベンガル州政府は、国営鉱山会社National Mineral Development Corp (NMDC)と、炭坑開発の合弁交渉を進めるとともに、炭坑開発とセットにした鉄鉱石の買い付け交渉を進めている。首尾良く交渉が妥結すれば、同州は投資家に石炭のみならず鉄鉱石もオファーできる。
ビジネス・スタンダードが8月28日伝えたところによると、西ベンガル州政府商工部のSabyasachi Sen次長は商工会主催の会議の席で以上の消息を明らかにした。それによると、同州はこれ以前から投資家に石炭の供給をオファーして来たが、投資家は鉄鉱石の供給確保も必要としている。そこでNMDCと鉄鉱石の買い取り交渉を進めている。
NMDCのRana Som会長兼MDは、西ベンガル州と関係協議を進めていることを確認するとともに、目下鉱業リースを申請中のジャールカンド州の鉄鉱山から西ベンガル州に鉄鉱石を供給する可能性を検討していることを明らかにした。同アレンジは、西ベンガル州における炭坑開発合弁事業の一部分を成している。
西ベンガル州政府はBirbhum炭坑の割当を申請しており、同州政府傘下のWest Bengal Mineral Development & Trading Corporation (WBMDTC)が、NMDCとBirbhum炭坑を開発する合弁覚書を近く結ぶ見通しだ。
西ベンガル州には石炭資源は豊富に存在するが、鉄鉱石資源は存在しない。NMDCは、これ以前に西ベンガル州で鉄鉱石の探査を試みたが、成功しなかった。対照的に同州に隣接したジャールカンド州やオリッサ州には豊富な鉄鉱石資源が存在する。
このため西ベンガル州で製鋼事業を計画するものは、先ずペレット工場を設け、公開市場で調達した粉鉱石(iron ore fines)を原料にペレットを製造する必要がある。西ベンガル州に年産1000万トンの鉄鋼プラントを設けることを計画するJSW Bengal Steelも同方式を採用する方針だ。西ベンガル州で計画されている鉄鋼プロジェクトの投資額は10万クロー(234.2億)以上にのぼる。