SEAnews 2009-03-23 ArtNo.42063

【ニューデリー】ノルウェーの大手電話会社Telenorは当初、全国テレコム・ライセンスを保持するスタートアップ企業Unitech Wirelessの60％の権益を6120クロー(US$11.86億)で買収する契約を結んだが、このほど67.25％の権益を、同じ6120クローで買い取ることでUnitechと合意、首尾良く10.78％のコスト・ダウンを実現した。
ビジネス・スタンダード、インディアン・エクスプレス、ザ・ヒンドゥー、ヒンドゥー・ビジネス・ラインが3月18／21日報じたところによると、Telenorは20日、初回の33.5％の権益買収費用として1250クロー(US$2.42億)を支払った。残りの4870クロー(US$9.44億)は2009年末までに3回に分けて支払う。買収価格を比例配分すれば、33.5％分の代金は3048クロー(US$5.91億)近くになるが、不足分は、Telenorが保持するUnitech Wirelessの社債を株式に転換することにより補填する。
Telenor GroupのJon Fredrik Baksaas社長兼CEOによると、今回の支払いを通じTelenorは、世界で最も急速に成長する移動体通信市場への進出を果たし、サービス開始に向けた準備をスタートする。インドの移動体通信契約者は昨年だけで延べ1億人以上増加した。Telenorはコスト効率が良く、高速且つ柔軟なネットワークの構築に照準を合わせ、最適な収益性を実現する。
Unitech Wirelessは、最近Tata Teleservices傘下の通信タワー会社Wireless-TT Info Service LtdおよびQuippo Telecom Infrastructure Ltdと、通信タワー・シェアリング契約を結んだ。これにより数千のアンテナに低コストでアクセスできると言う。
Unitech Wirelessの市価は、Telenorが60％の権益を6120クローで買収することを認めた昨年10月には1000クロー(US$1.94億)の負債を差し引いた後、1万200クロー(US$19.77億)と見なされたが、僅か5ヶ月で11％近く縮小したことになる。Unitech Wirelessはその理由を説明していないが、アナリストらは、世界的な経済危機とインドにおける新電話会社の不透明なビジネス見通しが、その背景と見ている。世界的経済危機はTelenorの資金調達計画にも深刻な影響を及ぼしており、同社は120億クローネの株主割り当て計画を見合わせ、キャッシュフローと借入で、Unitech Wireless買収費用を賄うことに方針を転換した。これはTelenorの54％の株式を保持するノルウェー政府が株主割り当ての引き受けを見合わせたためとされる。
今回の合意は、8350クロー(US$16.18億)の負債を抱える不動産会社Unitech Ltdにとっても救いになった。同負債の内2500クロー(US$4.84億)を3月末までに返済せねばならなかった同社は、1800クロー(US$3.49億)の返済を何とか繰り延べたものの、残り返済額の調達に腐心しているところだった。