【ニューデリー】日立GEニュークリア・エナジー有限会社(GEH:GE Hitachi Nuclear Energy LLC)は19日、地場大手土木建設会社Larsen & Toubro Ltd (L&T)と、インド国内に改良沸騰水型原子炉(ABWR:Advanced Boiler Water Reactor)を設けることに関する協力覚書を結んだ。同覚書の下、GEHは技術提供者としてABWR反応炉を含む原子力島(nuclear island)関連の設備機械やコンポーネントを供給、L&Tはこれらの設備の設計・製造・建設を引き受ける。
エコノミック・タイムズ、デカン・ヘラルド、ヒンドゥー・ビジネス・ライン、ザ・ヒンドゥー、ビジネス・スタンダードが5月19／20日伝えたところによると、GEHのKishore Jayaraman重役(ｲﾝﾄﾞ/ｽﾘﾗﾝｶ/ﾊﾞﾝｸﾞﾗﾃﾞｯｼｭ担当CEO)は、覚書調印後記者会見し、以上の消息を語った。それによると、GEHは今年3月にNuclear Power Corporation of India (NPCIL)と、ABWRベースの発電所をインド国内に建設する覚書を結び、目下、両者は建設地を物色している。L&Tとの今回の提携は、インド国内にABWR型原子力発電所を設けるためのサプライヤー・ベースを構築する努力の一環である。インドは2030年までに6万MW(ﾒｶﾞﾜｯﾄ)の原子力発電施設を設けることを目指している。
一方、L&Tは、今年1月に米国拠点の原子力発電設備会社Westinghouse Electric Company (WEC)と、核反応炉モジュールの製造とインド市場における加圧水炉のマーケッティングに関する合弁覚書を交換、またフランスのArevaとも同様の協力交渉を進めている。
ちなみに、原子力発電所は、原子炉を含む『原子力島』とそれ以外の二次系設備の2つの部分からなっている。『原子力島』は、原子力技術を用いて蒸気を発生させ、二次設備はタービンや発電機を用いてこの蒸気から電気をつくり出す。こした二次系設備は通常「原子力島」とは別の施設に格納されている。