【ニューデリー】世界的な景気後退の影響から、インドの昨年(2008/4-2009/3)のパーソナル・コンピューター(PC)販売台数は679万台と、前年の734万台を7％下回り、初めてマイナス成長を記録した。
ザ・ヒンドゥー、ビジネス・スタンダード、ヒンドゥー・ビジネス・ライン、デカン・ヘラルドが7月15日報じたところによると、情報技術製造業者協会(MAIT: Manufacturers' Association for Information Technology)は14日発表した『2008－09年産業動向展望(Industry Performance Review for 2008-09)』と題する報告書の中で以上の数字を明らかにした。それによると、インド経済のスローダウンで2008－09年のIT消費は大幅に下降、取り分け下半期に深刻な落ち込みを見た。昨年のノートブックPCの販売台数は前年の114％の伸びとは対照的に17％減の150万台にとどまり、デスクトップPC販売も4％減少した。
昨年10－12月期に最も深刻な落ち込みが記録されたが、その後回復の兆しが生じた。ビジネス情緒が徐々に回復しつつあることから2009－10年のPC販売は昨年比7％増の730万台に達するものと見られる。
MAITのVinnie Mehta常務理事(ED)によると、2008－09年には経済の先行き不透明感から法人部門のIT消費は27％、家庭部門のそれは3％、それぞれ下降した。とは言え、テレコム／銀行・金融サービス／教育／電子政府部門が需要を牽引した。
例年、下半期の売上げは上半期を大幅に上回るが、2008－09年は逆で、四半期ごとのＰＣ販売の内訳を見ると、第1四半期207万台、第2四半期161万台、第3四半期143万台、第4四半期166万台と、下半期の売上げが予想を下回りマイナス成長に陥った。
一方、下半期には、ネットブックと言うロー・コストなワイヤレス・インターネット・アクセス・デバイスが登場、消費者の関心を引きつけた。ネットブックの販売台数は7万3000台をマーク、内下半期の販売台数が6万台を占めた。
PC販売の地域別シェアを見ると、西部37％、南部23％、東部22％、北部18％で、西部と東部における売上げは各12％と18％の伸びを見たが、南部と北部における売上げは各22％と34％の落ち込みを記録した。
デスクトップ市場では多国籍ブランドが51％(45%)、インド・ブランドが18％(22%)、無名ブランドが31％(33%)と、多国籍ブランドのシェアが前年のそれ(括弧内の数字)を大きく上回った反面、地元ブランドと無名ブランドのシェアは縮小した。
インターネットに積極的にアクセスするネット契約者の数は2007－08年の720万人から2008－09年の860万人に増加、インターネット・ユーザー人口は6000万人を突破した。MAITは、2012年までにインターネット・ユーザー5億人、広帯域接続1億、インターネットに接続された装置1億ユニットの実現を目指している。MAITは同目的を実現するためにも、第3世代ネットワークとWi-Maxネットワークを早期に立ち上げる必要があると指摘している。