SEAnews 2009-11-27 ArtNo.42895

【ニューデリー】米国は最早インドの最大輸出市場ではなくなった。2008－09年の輸出額で、米国はインド産品の最大輸出市場としての地位をアラブ首長国連邦(UAE)に明け渡した。2009－10年上半期の対米輸出額も104億4000万米ドルと、前年同期の128億4000万米ドルに比べ18.7％の落ち込みを見た。
インディアン・エクスプレスが11月24日、商工省発表のデータを引用し報じたところによると、インドの2008－09年の対米輸出は前年比0.46％増の210億米ドルと、2001－02年のマイナス成長に続く、低調な伸びにとどまった。これに対してUAE向け輸出は前年比50％増の約240億米ドルを記録した。この結果、2008－09年度の輸出市場番付は、UAEが13.1％のシェアでトップ、以下2位米国11.4％、3位中国5.08％、4位シンガポール4.49％、5位香港3.65％と続いた。
UAEがトップに浮上した主因は宝飾品貿易市場のパラダイムシフト。米国は昨年、一般特恵関税(GSP:Generalised System of Preferences)の適応対象からインド産宝飾品を除外した。このため昨年の対米宝飾品輸出は50億米ドルと、前年に比べ微減した。これに対して莫大なオイル・マネーを保持する産油国UAE向け宝飾品輸出は2倍以上の100億米ドルに激増した。米国とUAEはインド産宝飾品の伝統的市場で、これら両国に対する輸出品目の中で宝飾品はこれ以前から最大の比重を占めて来た。
宝飾品輸出委員会(GJEC:Gems & Jewellery Export Council)のVasant Mehta会長によると、主にダイヤモンドから成るUAE向け宝飾品の大部分はトレーディング用で、さしたる付加価値はない。
米国は歴史的にインド産品の最大の輸出市場だったが、過去5年間、UAEと中国が急浮上して来た。観測筋によると、米国の需要が近い将来過去の水準まで戻ることは期待できず、対米輸出は今後も低調な伸びにとどまる見通しだ。
インドの2008－09年輸出総額は前年比14％増の1850億米ドルを記録した。宝飾品以外の主要な対米輸出品は、既製服、機械、薬物／医薬品、金属製品で、主な対UAE輸出品には石油製品、金属製品、機械、バスマティ米が含まれる。
輸出相手国トップ5については、香港が英国に代わり、5位にランクされ、中国とシンガポールは3位と4位の座を維持した。対中輸出は2008－09年に14.4％下降し93億米ドルにとどまったが、3位の座を守った。