SEAnews 2009-12-11 ArtNo.42949

【ニューデリー】インド政府は2つのバイオメトリックＩＤカード・プロジェクト、即ち、永久口座番号(PAN:Permanent Account Number)計画と多目的身分証明(UID:Unique Identification)計画を統合する方針を決めた。
インディアン・エクスプレスが12月7日報じたところによると、インド認識標管理局(UIDAI:Unique Identification Authority of India)のNandan Nilekani会長は、このほど同紙に以上の消息を語るとともに、すでに大蔵省と同問題を協議したことを明らかにした。
それによると、所得税局(ITD:income tax department)とUIDAIは何れも生物統計学(biometrics)技術を応用した認証システムの構築を目指しており、両プロジェクトを統合することは技術的に可能なだけでなく、重複を回避できる。またUIDAIにとっては、PANカードのインフラを利用し、7000万人のPANカード所持者にアクセスできるメリットが存在する。ちなみに、ITDは左右各2本の指の指紋と顔のデータを照合する方式を採用するのに対して、UIDAIは指紋のみの照合を計画している。
2年ほど前からPANカード発行計画に取り組んできた中央直接税局(CBDT:Central Board of Direct Taxes)が今年に入って募集したプロジェクトの請負入札には、①Infosys、②HCL Infosystems、③Tata Consultancy Services(TCS)、④TCS子会社CMC Ltd(Computer Maintenance Corporation)、⑤Electronics Corporation of India Ltd、⑥Indian Telephone Industries Ltd(ITI)、⑦Bharat Electronics Ltd(BEL)が応札した。
CBDTは新規納税者の他、既存納税者中のカード更新希望者にUIDにリンクした新PANカードを発行、その後、従来のカードを全面的に新カードに転換する方針だ｡
しかしカード発行コストをどう処理するかは、まだ決まっていない。既存のPANカードのコストは67ルピーだが、UIDにリンクした新カードのコストは200～300ルピーと予想され、カード取得者の負担を増すことになる。