SEAnews 2010-03-12 ArtNo.43186

【ニューデリー】国営電話会社Bharat Sanchar Nigam Ltd(BSNL)は5日、延々20ヶ月以上にわたったもんちゃくの末、総額100億米ドルにのぼる9300万回線GSM設備機器の購買入札を取り消した。
ビジネス・スタンダード、インディアン・エクスプレス、エコノミック・タイムズが3月5／6日伝えたところによると、異常に高額で、違法なポスト・テンダー・ネゴシエーションも行われた発注に疑義を唱えたSam Pitroda委員会の報告受け、調査に乗り出した中央監視委員会(CVC:Central Vigilance Commission)はBSNLに入札の取り消しを勧告した。
BSNL取締役会は5日、CVCの勧告を受け入れ、入札を取り消すとともに、Pitroda委員会が提案した民間部門により広く採用されている『マネージッド・サービス(managed service)』の導入を決めた。またこうした方針転換に伴い計画に遅延が生じた際には、既存納入業者から追加設備を購入、既存通信網のキャパシティーを拡大することにより、穴埋めすると言う。
インディアン・エクスプレスが10日報じたところによると、電気通信局(DOT: department of telecommunications)のPJ Thomas次官は、「BSNL取締役会の2人の政府代表(JS Deepak次官補とPK Mittal副総監補)は、取締役会の会議の過程で意見を述べることができたにも関わらず、何故契約発注に反対する意見書を提出せねばならなかったのか」と疑問を呈する回状を関係方面に配布、入札を取り消したBSNLの決定に対するDOTの不満を表明した。Thomas次官は、これ以前にこれら2人の代表に釈明を求めており、Mittal副総監補はDOT取締役会から異動させられている。
興味深いことは、Thomas次官自身、Pitroda委員会のメンバーに名を連ねている。『その次官が何故今になってこの種の回状を送付したのか』、『これはBSNLの入札を支持し、首相に早期契約発注を進言したA Raja通信相の立場と何らかの関係があるのか』、インディアン・エクスプレスは真意を質すため、Thomas次官に接触を試みたが、次官は多忙を理由に同紙のインタビューに応じず、軽帯電話のスイッチもオフになっていたと言う。