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2010-10-15 ArtNo.44066
◆中国の辺境地域鉄道建設に警戒
【ニューデリー】領有権を主張するアルナチャルプラデシュ州境の町Nyangtriに通じる鉄道建設を進める中国は、新たにチベットのラサからネパール国境に至る鉄道の建設に着手した。インド政府や軍事専門家らは、中国のこうした動きに警戒心を高めている。
エコノミック・タイムズが10月14日伝えたところによると、Nyangtriは、中国がブラマプトラ川を北に分流することを計画している地点でもある。Nyangtriもしくはチベット語でNyingchi(林芝:西蔵自治区林芝県)を、インドはアルナチャルプラデシュ州の一部と見なしているが、中国は同地に世界最大級のダムを建設することを計画している。
チベットとネパールの国境に近いXigazeに至る支線はラサから南方へ延長され、Nyangtriに至る支線は南東のアルナチャルに向けて延長される。
中国はブラマプトラ川に既に建設されている1ダースほどのダムに加え、新たに大規模なダムを6つ増設する計画だ。
インド政府高官は、「中国がブラマプトラ川を北方に分流する具体的証拠は存在しないが、ブラマプトラ川の著名な渓谷『Great Bend(大屈曲点)』に近いNyangtriには大規模なインフラ設備が建設されている。これには目下建設中の鉄道が含まれ、中国のこうした動きは決して軽視できない」と指摘した。
ブラマプトラ川は『Great Bend』で大きく屈曲し、インドに流入している。ニューデリー拠点の民間調査機関Center for Policy Researchの戦略研究家Brahma Chellaney教授によると、Nyangtriへの鉄道建設は2つの点で極めて重大な意味を有する。第1に、中国は同地区に揚子江の三峡ダム(Three Gorges Dam)の3倍の規模を有する世界最大のダムを建設することを計画している。第2に中国はインド東部(アルナチャル)国境地区の軍事的配備を増強している。中国は必要な時にはいつでも迅速に軍を移動し、インドを攻撃できる地歩を固めている。
今年初、中国人民解放軍空軍部隊がチベット鉄道網を通じ初めて同地区に展開した。この点からも中国がラサから南方へ鉄道を延長することに力を入れていることに、警戒せねばならない。人民解放軍報は最近、「チベットに対する初の急派は、世界最高の高原地帯に瞬時に軍を展開できる能力を証明した」と誇らかに報じたと言う。
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