SEAnews 1996-01-06 ArtNo.4483

【クアラルンプル】テレコム・マレーシアBhd(TMB)は4日、サンライズBhdと、後者が開発するモント・キアラ・ニュータウンに対する独占通信サービス契約を結んだが、通信会社間の市場シェア獲得競争が移動電話市場ばかりでなく、固定電話市場でも熾烈化する兆しとして注目されている。
最近固定電話サービスの独占契約が急増しており、バンダル・バル・ニライ、バンダル・スリ・プルマイスリ、カレッジ・ハイツ、クラナ・ビジネス・センター、バンダル・バル・スラタン、ブキ・トゥングル・ゴルフ・アンド・カントリー・リゾート、クアラルンプル・シティー・センター等に対する独占契約を獲得したビナリアンSdn Bhdが更に全国の20～50の商業／住宅開発プロジェクトに照準を合わせている。これに対してユニバーシティー・プルタニアン・マレーシアと同様の契約を結んだタイム・テレコムはクアラルンプル、ジョホール・バル、イポー、ペナン、スブラン・プライ、マラッカ等の都市部における顧客ベースの獲得を目指している。セルラ・コミュニケーションズSdn Bhd(ｾﾙｺﾑ)は既に2年前に住宅開発業者協会(HDA)と、後者が手掛ける新規住宅プロジェクトに電気通信サービスを提供する契約結んでいる。問題は通信市場の開放により多数の固定電話サービス会社が誕生したにも関わらず、実際には多数の小規模な独占地区が生み出されただけで、末端消費者には選択の自由がないこと、とアナリストは指摘する。いわゆる独占契約とは何を意味するのか。通信会社と開発業者の間で独占契約が結ばれた地区の末端消費者は他の通信会社にスイッチする自由は有るのか。インター・コネクティビティー契約はその種のケースもカバーしているのか。通信行政を司るジャバタン・テレコム・マレーシア(JTM)は今のところ、こうした問題に何等コメントしていない。ＴＭＢのモハド・サイド重役(CEO)はこの日の契約式の席上、「今回の契約により顧客は新居に入居するや否や電話回線網にリンクされ、一般のケースのように1～2週間待たされる必要がない。ＴＭＢは同プロジェクトに100万Ｍドルを投資する」と語った。ＴＭＢは向こう数年間この種のサービスに数百万ドルを投資する計画で、提供されるネットワークにはテレバンキング、テレストック、テレインフォ、ＩＳＤＮデジタル電話、遠隔ドキュメント・シェアリングに基づくパーソナル・コンファランス、ＩＳＤＮを通じたオンライン・データベース・アクセス、マルチメディア・サービス、ホーム・コンピューティング、ハイスピード・データ・リンクが含まれると言う。(MBT:1/5)