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1996-01-22 ArtNo.4677
◆<星>政府、地下鉄東北路線の即時建設決定
【シンガポール】シンガポール政府は南部のワールド・トレード・センターと東北部のポンゴールを結ぶ全長20キロの地下鉄(MRT)東北路線を即時建設する方針を決めた。同路線は全体の80%が地下方式となるため、建設コストも50億Sドルにのぼる。
マー・ボータン運輸通信相が19日、国会における陸運白書の審理を締めくくる総括演説の中で明らかにしたところによれば、当初同路線が2002年に開通した場合、乗客不足から開通後4年間は毎年約2億5000万Sドルの営業赤字が生じ、2006年に初めて収支が均衡すると見積もられていたが、高めの乗車料金(20セント)を基準とすれば、2003年にも営業収支の均衡が実現できる。
しかしながら列車や信号設備、エスカレーター等の設備の耐用期間は最大30年で、今日10億Sドルと見積もられる設備機器の更新コストは30年後には40億Sドルに膨張する見通しだ。乗車料収入だけでは10億Sドルの更新費しか賄えず、提案されている補助スキームの下では、不足分の30億Sドルは結局政府が負担せねばならない。したがって同補助方式は将来、政府に莫大な財政負担を強いることになる。政府の選択は予算余剰や蓄積された準備金の利用、公債の発行、もしくは増税しかなく、仮に持続的な経済成長が実現できなければ、設備の更新を延期せざるを得なくなる。北京の地下鉄は、最近乗車料を400%引き上げたにも関わらず、依然としてコストを補填できないと言われ、こうした状況はシンガポールも教訓とせねばならない。
したがってMRTの建設を決定する際には、建設されたシステムの将来の経営効率を慎重に配慮する必要がある。より重要なことは有能な政府による効率的な運営により持続的経済成長を維持し、全ての公共支出を賄える予算余剰を確保することにあると言う。(ST,BT,LZ:1/20)
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