SEAnews 1996-02-13 ArtNo.4973

【カントー】ベトナムの穀倉地帯メコン・デルタ各省は工業化への切符を手にするため懸命な外資誘致努力を重ねている。
メコン・デルタ11省の1つカントー省人民委員会のブイ・フ・トゥリ副議長は「農業で生活は保てても、富裕になることはできない。工業化だけが住民を富ますことができる。我々は外資を必要としている」と語る。最初の合弁プロジェクトが発足してから8年、同省には僅か10件の外資プロジェクトが存在するのみで、総額5300万米ドルの合弁投資の3分の1はアメリカン・ライス社の投資によるもの。省計画委員会のボー・バン・ルイ委員長によれば、同省は来年2つの橋を建設、現在ホーチミン市まで2度の乗り換えを要するフェリー交通からの脱却を図る。やはりデルタ地区のミホに4300万米ドルを投じてビール工場を建設したフランス系合弁会社ＢＧＩのグエン・スアン・トゥロン副工場長は、「省政府はプロジェクトを6カ月で承認、計画は迅速に進んでいる」と指摘する。同社の製品はボートでホーチミン市やカンボジアに出荷されており、陸上輸送に比べ大幅に安上がりと言う。(ST:2/12)