SEAnews 1996-03-19 ArtNo.5349

【台北】米国ヒューレット・パッカードとシンガポール・テクノロジーズPte Ltd及び台湾のベンチャー・キャピタル・ファンドＷＫテクノロジー等の合弁に成る華亞科技半導体公司が先週その135億台湾元(US$4.9億)の8インチ・ウエハー製造計画の中止を宣言したのは、孤立的な事件ではなく、世界の半導体市場の先行き不透明感が高まる中で、他にも追随する動きが生じるものと見られている。
台湾の経済日報が報じるところによれば、過去2年来の半導体景気で年間100％以上の投資収益を上げる企業も少なくなく、昨年台湾の5大半導体会社はほとんど例外無く10元前後の1株益を達成した。このため超過利益の魅力に誘われて20件余りの8インチ・ウエハー製造プロジェクトが誕生、向こう数年間に実行に移される見通しだ。これは世界の8インチ・ウエハー製造プロジェクトの約7分の1に当たり、1件当たりの投資額も250億元(US$9億)にのぼる。これまでも台湾企業の業務は少数の業種に偏重し、過当競争が生じる傾向が見られたが、将来半導体市況が更に下降するなら、深刻な値下げ競争が生じる恐れがある。既に米国のマイクロン、サイアラス、富士通等は8インチ・ウエハー製造計画の延期を発表しているが、世界の8インチ・ウエハー製造能力は短期間に急成長する見通しで台湾業界にとっても、試金石になると言う。(LZ:3/18)