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1996-03-30 ArtNo.5514
◆<馬>エコノミスト、中央銀行の景気冷却見通しに懐疑
【クアラルンプル】多くのアナリストは、マレーシアの経済成長が中央銀行が予想するほど急速に鈍化することはないと見ている。
昨年は1991年以来初めて長期資本の純流入により商品/サービス収支の赤字を埋め合わせることができなかったが、アナリストらはこの点を早急に是正する必要を指摘した。また金利の一層の引き上げは不可避で、もし向こう数カ月間に旺盛な消費支出が鎮静しないなら、中央銀行は行政的手段に訴えても、その抑制を図らざるを得ないとの見方が示された。
中央銀行はその年次報告の中で国内総生産(GDP)の成長率が昨年の9.5%から今年は8.3%に鈍化、国内需要の伸びも昨年の14.6%から7.7%に減速すると予想している。しかしクラインワート・ベンソンのアナリストは「内需の伸びがそれほど急速に鈍化するとすれば驚き」と指摘、クロスビー証券は「バンク・ヌガラのシナリオが実現するのは、迅速な金融引き締め措置が採られた場合に限られる。もしそうでなければ主要経済指標の上昇に驚かされることになるだろう」とし、今年のGDP成長率は8.6%と予想した。またWIカーのアナリストは「中央銀行の報告は経済的ファンダメンタルが益々弱体化しつつあることを示している」、「3カ月ものインターバンク・レートは94年末以来既に150ベイシスポイント上昇しているが、経常収支の赤字を処理するには更に150ベイシスポイント引き上げる必要がある」、「長期資本の流入が経常収支の赤字解消に不十分になった以上、短期資本の流入に依存せざるを得ないが、アハマド・ドン中央銀行総裁は長期性の資本の誘致のみを図るとしている」と語った。昨年の長期資本の純流入は156億Mドルと、178億Mドルの経常収支赤字を埋め合わせることができず、結局国際収支は22億Mドルの赤字となった。INGベアリングの幹部は「下半期には証券市況の改善が見込まれるが、マクロ経済的懸念と流動性の過剰から市況は不安定になりやすく、我々も若干慎重なスタンスを採らざるを得ない」と語った。(BT:3/29)
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