SEAnews 1995-02-18 ArtNo.569

【シンガポール】マレーシアの青年実業家リム・ティエンキャット(林天傑)氏に率いられるマルチ・パーパス・ホールディングズBhd(MPHB)の株価はマレーシアン・ホンリョン・グループによる買収の噂と某実業家の買い占めを背景に1月末の1.45Ｍドルから16日には一時は2.90Ｍドルまで値上がりしたが、その後売りが入り2.67Ｍドルで引けた。
当地のアナリストは「ＭＰＨＢはある種の政治家の選挙資金調達に利用されている可能性も有る」と指摘する。これは同グループがコーズウェイの両岸に上場子会社7社を擁するためと言う。アジア・ウォール・ストリート・ジャーナルは16日の紙面で、「マレーシアン・ホンリョン・グループのクエック・レンチャン氏とＭＰＨＢのリム氏はここ数年親密な関係に有り、過去数週間にも共に食事や海外旅行を行っている」と指摘するとともに、買収の噂は根拠のないものと報じた。リム氏は89年に与党の一翼を担うマレーシア華人協会(MCA)から5億9200万Ｍドルで、財政難のＭＰＨＢを買収、一躍脚光を浴びたが、その後ＭＰＨＢの業績は、89年の3000万Ｍドルの税引き前利益から93年には税引後に7800万Ｍドルの利益を出すまでに改善しており、エスティメーテッド・ディレクトリーは94年に1億1300万Ｍドル、95年に1億3900万Ｍドルの純益計上を予想している。(ST,NS:2/17)