SEAnews 1996-04-26 ArtNo.5843

【シンガポール】リー・クアンユー上級相は24日、ホテル・プロパティーLtd(HPL)の報告遅延からあらぬ疑惑が生じたとし、弟リー・スアンユー(李祥耀)氏親族との取引について直ちにシンガポール証取(SES)に報告を行わなかったＨＰＬの怠慢に不満を表明した。
アジア・ビジネス・ニュースの質問に対して、リー上級相が書面で回答したところによると、ＨＰＬの報告の遅れで、あたかも秘密や不正が存在したかのような印象を人に与える結果を招いた。またリー・スアンユー氏の親族が特価で不動産を購入したとの報道により、ミステリーが存在したかのような空気が醸成されたと言う。
シンガポール証取(SES)は月曜、自社関係者に対するコンドミニアム・ユニットの販売に関して4カ月後に初めてＳＥＳに報告、さらに11カ月後に株主大会の承認を求めたＨＰＬの措置は、受け入れがたいものと批判するとともに、こうした点に対する規制強化措置を発表した。これを受けて、リー・クアンユー上級相とリー・シエロン副首相は火曜、ゴー・チョクトン首相に、昨年4月にＨＰＬからナッシム・ジェードの住宅を各1ユニット、また同年10月にスコッツ28の1ユニットをそれぞれ購入したことを報告した。リー・スアンユー氏はＨＰＬの取締役を務めており、リー上級相とリー副首相は上場規則第1010条が定める関係者及び親族にあたる。しかし、これまでの上場規則にはＳＥＳへの報告や株主総会における承認手続きの期限は規定されていなかった。(ST,BT,LZ:4/25)